暗黒物質分布の広域探査

すばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam を用いた暗黒物質 (ダークマター) の広域探査が進められています。写し出された無数の銀河の形を精密に計測し、重力レンズ効果という現象を利用することで、手前にある暗黒物質の分布を描き出すのです。2013年には 2.3 平方度にわたる天域における暗黒物質の分布を明らかにし、銀河団規模のダークマターの集中がこの天域に9つ存在することを突き止めました。暗黒物質分布の広域探査は宇宙膨張を支配する「暗黒エネルギー」の強さや性質を調べる上でカギとなります。観測天域は今後 1000 平方度以上にまで広げられ、暗黒物質分布とその時間変化から宇宙膨張の歴史の精密な計測に迫ります。