すばる2

多彩な国際・国内連携

すばる望遠鏡はこれまで国際共同利用を行ってきており、観測対象も太陽系天体から恒星、星間物質、星・惑星形成、系外惑星探査、銀河、ブラックホール、初期宇宙、宇宙論に至るまで、光学赤外線天文学のほぼ全ての研究領域で活用され続けています。2020年代は、4つの主力装置を使った広視野観測に重点を置き、望遠鏡の機能強化をはかりますが、そのほかにも多彩な観測装置を備えており、多様な研究テーマに対応します。
また、掲げた4つの科学目標を達成するための大規模な探査観測から生み出されるビッグデータは、広い天域と波長域にわたる多数の天体の均質な観測データであるため、多様な天文学研究テーマに応用が可能です。2020年代にすばる望遠鏡が生み出し、世界に公開されるデータは、将来にわたって様々に活用され、多くの研究成果を生み出す「レガシーデータ」となるでしょう。

image

すばる望遠鏡は国際共同利用により、天文学の広い研究領域における科学的成果を挙げ続けています。すばる2では、目玉となる超広視野観測に加えて多彩な観測装置を提供するとともに、大規模サーベイデータを活用して多様な研究を展開します。

他の最先端観測施設との連携

すばる望遠鏡は HSC を用いて、すでにいくつかの宇宙望遠鏡と具体的な連携研究を進めています。例えば、HSC の可視光データと X 線衛星のデータを組み合わせた共同研究が行われています。また、同じマウナケア天文台群の大型望遠鏡との時間交換や、日本国内の光学赤外線望遠鏡との共同観測も行われています。

すばる2では、その超広視野観測能力を生かして、世界の最先端天文観測施設との連携・協力をさらに強化していきます。今後打ち上げを予定している宇宙望遠鏡と共同研究や協調観測を行う計画が進行中です。例えば、すばる望遠鏡と次世代宇宙望遠鏡計画の連携を加速する、日本学術振興会の研究拠点形成事業 「SUPER-IRNET」が発足し、2020年代に打ち上げが予定されている宇宙望遠鏡との連携観測を実現すべく、準備が進められています。

地上望遠鏡との連携も重要です。特に TMT(30 メートル望遠鏡)をはじめとする次世代の超大型光学赤外線望遠鏡との関係は極めて重要で、すばる2の超広視野探査で発見される様々な新天体を、超大型望遠鏡で分光したり高解像度で撮像したりすることで、その正体に迫ります。すばる望遠鏡と TMT の連携で実現できるサイエンスは「すばる望遠鏡と TMT が結ぶ新たな宇宙像(サイエンスブック2020)」としてまとめられています。

また、電波で高解像度観測を行うことのできるアルマ望遠鏡との協調観測も重要です。すばる望遠鏡で推進していた原始惑星系円盤の研究は、塵とガスからなる円盤をより高解像度で調べるアルマ望遠鏡での研究に発展しました。今後も光赤外線と電波という互いの観測能力を活かすことによって、様々な研究分野が飛躍的に発展することが期待されます。

このように、すばる2の主力装置と、国内外の天文観測施設との連携・共同研究を進めることにより、世界中の研究者を巻き込んだ多様な研究テーマが展開されるでしょう。

image

すばる2は国際的な天体観測網の中で確固たる地位を築き、
連携して科学研究を推進します。