宇宙の初代星に迫る

宇宙誕生から間もない時代に生まれた「初代星」の痕跡が、銀河系に残されています。銀河系誕生初期に生まれた高齢の小質量星を見つけ、その組成を調べることで、「初代星」の痕跡が記録された「第二世代星」を見つけ出すことができるのです。高精度で星を分光することができるすばる望遠鏡の高分散分光器 HDS は、この分野の観測で突出した成果を挙げています。太陽質量の数十倍あるいは 100 倍を超える質量を持つ初代星の爆発で放出された元素が、周囲の水素ガスと混ざってできたガス雲から生まれてきた第二世代星を発見しています。宇宙初期における大質量星・巨大質量星の進化と元素合成について手がかりを得る上で極めて重要な成果です。