観測成果

2005年 : 科学的成果報告 (英語)

暗黒物質の巣で育つ銀河の雛たち
暗黒物質の巣で育つ銀河の雛たち
2005年12月21日
米国宇宙望遠鏡科学研究所、国立天文台、東京大学などからなる研究チームは、すばる望遠鏡を用いて、約120億光年彼方の生まれ て間もない銀河が「暗黒物質の塊」の中にある証拠を得ました。 さらに、その「暗黒物質の塊」の中には銀河が1個とは限らず、時 には複数の銀河が育まれていることが分かりました。 この研究により、宇宙の年齢が現在の約10%の時代において、現在 の主流である冷たい暗黒物質による銀河形成理論の予言通りに、若い銀河が暗黒物質に包まれていることを、初めて明確に裏付けま した。
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銀河宇宙への足掛かり -- NGC2403
銀河宇宙への足掛かり -- NGC2403
2005年10月13日
すばる望遠鏡の主焦点カメラ Suprime-Cam が渦巻銀河 NGC2403をと らえました。銀河の全体について、これほど鮮明な画像を得られたのは今回が初めてのことです。地球から約1000万光年という比較的近傍にある NGC2403 は、渦の巻き方が比較的緩い Sc型 と呼ばれる銀河です。 私たちの銀河系 (天の川銀河)の半分ほどの重さを持ち、内部には多量の中性水素ガスをもつことが知られています。渦巻き腕には、活発に星生成を行う赤色の領域 (HII領域) や青色の若い星の群 (OB アソシエーション)、ダストによって星の光が隠されている暗黒帯が見られます。
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彗星の起源に迫る:ディープインパクト探査の観測結果
彗星の起源に迫る:ディープインパクト探査の観測結果
2005年9月15日
東京大学と国立天文台を中心とした日本、アメリカ、台湾の国際共同研究チームは、7月4日にディープインパクト探査機とテンペル第1彗星の衝突をすばる望遠鏡を用いて詳細な観測を行い、テンペル第1彗星の内部物質の組成や衝突の衝撃によって宇宙空間に飛び出した物質の量を明らかにしました。
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解明!月の古いクレーターの起源
解明!月の古いクレーターの起源
2005年9月15日
米国アリゾナ大学と国立天文台の研究チームは、月 や地球型惑星の表面にある約40億年前の古いクレーターを作った落下天体群 と現在のメインベルト小惑星のサイズ頻度分布が極めて良く一致していることを明らかにしました。今から約40億年前という時期には、地球型惑星上に集中的な天体の落下が数千万年 から数億年にわたり継続していたとされる時期です。
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すばる、宇宙最遠の巨大爆発をとらえる
すばる、宇宙最遠の巨大爆発をとらえる
2005年9月12日
東京工業大学、国立天文台などからなる研究チーム"すばるGRBチーム"は、すばる望遠鏡に取り付けた微光天体分光撮像装置FOCAS を用いて、宇宙の最も遠方で発生した巨大爆発現象の距離を測ることに成功しました。この爆発現象はガンマ線バーストと呼ばれ、大質量星が崩壊してブラックホールが作られるときに発生すると考えられています。9月4日に発生したガンマ線バーストをすばる望遠鏡によって観測した結果、この爆発までの距離は 128億光年と、今までの記録 (123億光年) を大幅に破る最遠の爆発であることが明らかになりました。この距離は人類がこれまでに発見した最も遠い天体 (幼少期の銀河) の記録に迫るもので、ガンマ線バーストを使ってさらに遠方の宇宙を探る可能性を開くものです。
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大質量原始星における星周円盤の発見 ~重い星の誕生メカニズムに制限~
大質量原始星における星周円盤の発見 ~重い星の誕生メカニズムに制限~
2005年8月31日
日本・中国・英国の研究者からなるチームは、すばる望遠鏡に取り付けた赤外線カメラCIAOを用いて、有名な大質量原始星であるBN天体 (注1) の非常にシャープな近赤外線偏光画像を取得しました。その結果、この若い大質量星のまわりに星周円盤を発見しました。これは、これまでに円盤が確認された原始星のなかでは最も質量の大きな例 (太陽質量の約7倍) であり、大質量星の形成を解き明かす鍵となる発見です。この研究成果は科学雑誌ネイチャーの9月1日号に掲載されます。
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ガス流をたどって超巨大ブラックホールに迫る
ガス流をたどって超巨大ブラックホールに迫る
2005年8月4日
京都大学と国立天文台のグループは、持ち込み装置である京都三次元分光器第2号機を用い、NGC 1052という銀河の中心部の面分光観測を行いました。高速なガスの双極状外向きの流れの存在とその詳細な構造が明かになりました。とくに、NGC 1052の中心核は活発な状態になって間もないので、今回の結果は、超巨大ブラックホールに伴った外向きのガスの流れの起源を理解するのに役立つと期待されます。このようなガスの流れは、銀河誕生の時期が始まって以来、銀河の進化に影響を与え続けてきました。
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高感度赤外線撮像で捉えた最も深い宇宙
高感度赤外線撮像で捉えた最も深い宇宙
2005年7月21日
東京大学、京都大学、国立天文台、ハワイ大学の研究者からなるグループは、すばる望遠鏡の補償光学システム (AO) と近赤外線撮像分光装置 (IRCS) を用いて、すばる望遠鏡が重点的に観測を進める「すばるディープフィールド」と呼ばれる領域の高感度赤外線撮像を行いました。データ解析の結果、波長2.12マイクロメートルの赤外線において従来より2倍以上深い世界最高感度を達成し、最も深い宇宙の画像を取得することに成功しました。また、得られた画像の空間解像度はハッブル宇宙望遠鏡を凌ぎ、赤外線波長では最も鮮明に遠方銀河を捉えることができました。
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すばる望遠鏡補償光学系のガイド星生成用レーザーの開発
すばる望遠鏡補償光学系のガイド星生成用レーザーの開発
2005年7月6日
独立行政法人理化学研究所 (野依良治理事長) と国立天文台 (海部宣男台長) は、高度約100kmの高層大気を光らせ「人工星」として望遠鏡を手助けする、「すばる望遠鏡」のガイド星生成用589nmレーザーの開発に成功しました。国立天文台研究連携主幹光赤外研究部の家 正則教授、理研中央研究所 (茅幸二所長) 固体光学デバイス研究ユニット和田智之ユニットリーダーらの研究グループによる成果です。
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超巨大コアを持つ灼熱惑星の発見
超巨大コアを持つ灼熱惑星の発見
2005年6月30日
国立天文台、神戸大、東工大、サンフランシスコ州立大などの研究者からなる、日米合同観測チームは、国際的観測計画 (N2Kプロジェクト) の一環として、すばる望遠鏡などによる観測を行ない、すばるによる初の系外惑星 (太陽系外の惑星) を発見しました。その後、この惑星は超巨大コアを持つ驚愕の惑星であることがわかりました。この発見は、木星のようなガス惑星がどのようにして形成されたのかを決定づけると同時に、新たな大きな謎を投げかけています。
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宇宙で最初の超新星がつくった、重元素の最も少ない星
宇宙で最初の超新星がつくった、重元素の最も少ない星
2005年6月3日
東京大学大学院理学系研究科 (天文学専攻) の野本憲一教授、岩本信之研究員(現・日本原子力研究所)らを中心とする研究グループは、「最近 すばる望遠鏡によって発見された "重元素の最も少ない星"が宇宙で最初に誕生した第一世代の星であるかどうか」という論争に決着をつける研究結果を発表しました。研究グループは、この星が極めて特異な元素組成を示していることに着目し、宇宙の第一世代の大質量の星の進化を計算し、それらが超新星爆発を起こして放出するガスの重元素の組成を推定したところ、この星で観測された特異な元素組成と見事に合致することを明らかにしました。すなわち、発見された星は、重元素をごくわずかだけ含むガスから生まれた第二世代の星であるということになります。
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すばるがとらえたガンマ線バースト母天体の横姿
すばるがとらえたガンマ線バースト母天体の横姿
2005年5月26日
東京大学、広島大学、国立天文台などの研究者からなるグループは、すばる望遠鏡と微光天体分光撮像装置 (FOCAS) を用いてガンマ線バーストを伴わない極超新星 (極端に爆発の規模の大きい超新星) のスペクトル撮影を行い、これが高速ジェットを激しく噴出している爆発を横からみた姿である証拠を初めて発見しました。この結果は、極超新星の大部分は高速ジェットを伴うガンマ線バースト母天体であり、ジェットが我々に向いている場合にのみガンマ線バーストとして観測されるという関係を明快に示すものです。
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土星の新衛星、12個を発見
土星の新衛星、12個を発見
2005年5月9日
ハワイ大学のデービッド・ジューイットらの研究チームは、マウナケア山頂のすばる望遠鏡やケック望遠鏡、ジェミニ北望遠鏡を使い、土星の新衛星を12個発見しました。これまでに見つかった外惑星の衛星は、木星が63個、土星が46個、天王星が27個、海王星が13個、冥王星が1個になります。発見された衛星は、大きさがわずか3~7km と非常に小さく、11個は土星の自転と反対向きに回っている逆行衛星であることがわかりました。この発見により、逆行衛星の起源に関する理解が一層深まると期待されています。
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シルエットで浮かび上がった原始星エンベロープの全貌
シルエットで浮かび上がった原始星エンベロープの全貌
2005年4月20日
東京大学、国立天文台、宇宙航空研究開発機構、茨城大学、中国科学院紫金山天文台、 千葉大学の研究者からなるグループは、M17領域で生まれつつある星を観測し、星を覆う雲(エンベロープ)の姿をシルエットとして鮮明にとらえることに成功しました。観測の結果、エンベロープは単純な形態をしておらず、外に向かって厚みを増すトーラスと両極方向に開いた円錐状のシェルからなる多重構造を持つことを世界で初めて明らかにしました。この成果は2005年4月21日付け英国科学雑誌Natureに掲載されます。
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すばる望遠鏡、最も重元素の少ない星を発見 ~第一世代星の元素合成に迫る~
すばる望遠鏡、最も重元素の少ない星を発見 ~第一世代星の元素合成に迫る~
2005年4月13日
国立天文台などの研究者からなるグループは、すばる望遠鏡などを用いた観測により、これまでに知られている中で最も重元素量の少ない星を発見し、その化学組成を測定することに成功しました。この星の化学組成は、宇宙の第一世代の星による重元素合成の結果を示すもので、宇宙で最初の星形成プロセスや元素の起源に重要な制限を与えるものです。
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超巨大ブラックホールの隠された活動性 ─可視光フレアの発見─
超巨大ブラックホールの隠された活動性 ─可視光フレアの発見─
2005年4月1日
京都大学大学院理学研究科の戸谷友則助教授らのグループは、すばる望遠鏡を用いた時間変動する天体の大規模探索により、約 40 億光年の距離にある一見ごく普通の銀河の中心部分から、わずか数日間に大きく増光 (フレア) する現象を発見しました。この放射は、太陽質量の約1億倍という超巨大ブラックホールの周囲約 10 億キロメートルを光速に近い速度で回転するガス円盤から出ていると考えられます。これは私たちの銀河系中心に存在するといわれる太陽質量の約 300 万倍のブラックホールよりもはるかに大きく、そのようなブラックホールから可視光域の激しい活動現象が発見されたのは初めてのことです。どの銀河にも中心核に超巨大ブラックホールが普遍的に存在するという、現在主流となりつつある考えをさらに裏付ける結果といえます。
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誕生したばかりの赤ちゃん星からの閃光
誕生したばかりの赤ちゃん星からの閃光
2005年3月1日
NASA ゴダード宇宙航空センター・東京大学らのチームは、南の冠座・R 星星形成領域を、X 線望遠鏡 XMM ニュートンとすばる望遠鏡で観測し、暗黒星雲の奥深くで誕生直後の星を世界で初めて捉えました。XMM ニュートンは、IRS7 ガス雲の奥底から四千万度の超高温ガスの X 線放射を発見、すばる望遠鏡はここから微弱な赤外線放射を初検出し、年齢が十万齢以下の赤ちゃん星、クラス0原始星であることがわかりました。この驚くべき超高温活動は、ガスが降り積もって星が出来る際の磁場活動が原因と考えられています。
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木星の約40倍の質量を持つ若い伴星を発見
木星の約40倍の質量を持つ若い伴星を発見
2005年2月24日
国立天文台・神戸大学・東京大学・総合研究大学院大学などからなる研究チームは、おうし座DH星(DH Tauri、距離460光年、年齢約100万年、質量は太陽の67%)の周囲を回る天体(伴星)が、木星の約40倍(太陽の4%)の質量をもつ褐色矮星であることを発見しました。若い恒星の周囲を回る褐色矮星としては、これまで発見された中で最も低温で質量も小さく、もう少し軽ければ惑星になっていたと考えられます。
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すばる望遠鏡、最遠の銀河団を発見
すばる望遠鏡、最遠の銀河団を発見
2005年2月16日
国立天文台の大内正己研究員 (現職:米 宇宙望遠鏡科学研究所・ハッブル特別研究員) を中心とする東京大学、国立天文台 などのグループは、すばる望遠鏡によって127億年前の宇宙に、生まれて間もない銀河団を発見しました。 この研究結果は1月26日から米国ハワイで開催される国際研究会"The Future of Cosmology with Clusters of Galaxies"で発表されます。
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太陽系外縁部の天体から結晶構造を持つ氷を発見
太陽系外縁部の天体から結晶構造を持つ氷を発見
2005年1月3日
David Jewitt (ハワイ大学) と Jane Luu (MIT リンカーン研究所) は、すばる望遠鏡の近赤外線カメラ CISCO を使い、 太陽系外縁部 (エッジワース・カイパーベルト;EKB) の天体「クワーワー」のスペクトル観測に成功しました。短周期彗星の生まれ故郷とされる EKB は、太陽系内で最も始原的な物質が存在する領域です。EKB 内の天体は太陽から遠方のため、表面温度はマイナス220度ときわめて低く、天体表面の水は結晶構造を持たない氷として存在します。しかし今回の観測から、クワーワーの表面に温度がマイナス160度以上で形成される、結晶構造を持った水の氷が見つかりました。約45億年の太陽系の年齢に比べ、この氷の寿命は非常に短いことから、クワーワーの表面温度が高くなるようなメカニズムが今なお続いていることになります。
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