観測成果

2009年

すばる望遠鏡、太陽型星をめぐる惑星候補を直接撮像で発見
~新装置HiCIAOで第二の太陽系探しを開始~
すばる望遠鏡、太陽型星をめぐる惑星候補を直接撮像で発見~新装置HiCIAOで第二の太陽系探しを開始~
2009年12月3日

 国立天文台、ドイツ・マックスプランク研究所などの研究者からなる研究チームが、すばる望遠鏡に搭載された新コロナグラフ撮像装置HiCIAOを用いて、太陽型星を周回する惑星候補天体を直接撮像により発見しました。発見されたのは木星質量の約10倍と推定される2つの惑星候補天体で、主星からの距離は、太陽系でいうと海王星と天王星の距離に相当します。その温度は摂氏約330度であり、これまでに太陽型星の周りで発見されてきた伴星に比べると非常に低温です。太陽型星の周りに、今回ほどはっきりとした惑星候補天体が写し出されたのは初めてのことです。

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すばる望遠鏡、双子の若い星の星周円盤を直接観測
--- 星周円盤に外部からの物質流入を初めて検出 ---
すばる望遠鏡、双子の若い星の星周円盤を直接観測 --- 星周円盤に外部からの物質流入を初めて検出 ---
2009年11月19日

 総合研究大学院大学、国立天文台などの研究者からなる研究チームは、連星系をなす若い星の周りの円盤(原始惑星系円盤)に物質が流れ込んでいる現場を直接撮像することに世界で初めて成功しました。観測の結果、まず連星に付随する双子の原始惑星系円盤、それらを繋ぐブリッジ構造、さらに外部からのガスの流れに起因する渦状腕を検出しました。若い天体において双子の原始惑星系円盤とガスの流れに起因する渦状腕を検出したのは、本研究が初めてです。この結果は、形成過程における物質の相互作用を解明した、連星形成に関する最初の直接観測データとなります。

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すばる望遠鏡、 重い星に伴う星周円盤の赤外線直接撮像に成功
すばる望遠鏡、 重い星に伴う星周円盤の赤外線直接撮像に成功
2009年11月18日

 太陽の 8 倍以上の質量を持つ星は、大質量星と分類されます。そうした大質量星は、壮年期には周りに美しい電離ガスの星雲を作り、また一生の最期には超新星爆発を起こして鉄を含むさまざまな重い元素を宇宙空間にまき散らすなど、さまざまな興味深い現象を示すとともに、銀河内の物質循環に大きな役割を果たしています。銀河系の外の銀河を見たときに最も目立つのも、明るく輝く大質量星です。

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すばる望遠鏡、多数の超遠方銀河を発見
すばる望遠鏡、多数の超遠方銀河を発見
2009年11月6日

 天文学者たちは従来の 100 倍以上の範囲で夜空の奥底を探索し、ビッグバン後約8億年の宇宙初期にある銀河を 22 個発見しました。そのうち 1 個は、ビッグバンから 7.8 億年後の宇宙に存在していることが、その銀河の水素ガスが出す輝線から確認されました。この発見は、ドロップアウト銀河と呼ばれる過去の宇宙に見られる銀河が、ビッグバン後約 8 億年まで遡っても存在していることを初めて証明するものです。同時に、この広い範囲で見つけられた超遠方銀河から、宇宙史の大イベントである宇宙再電離がいつ始まったかを知る手がかりが得られました。この研究は、2009 年 12 月発行の米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に掲載されます。

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すばる望遠鏡、主星の自転に逆行する太陽系外惑星を発見
すばる望遠鏡、主星の自転に逆行する太陽系外惑星を発見
2009年11月4日

 国立天文台の研究者とマサチューセッツ工科大学の研究者を中心とする2つの研究チームは、すばる望遠鏡を用いて白鳥座の方向およそ1000光年先にある恒 星HAT-P-7の観測を行い、この恒星のまわりの惑星HAT-P-7bが恒星の自転とは逆向きに公転していることを発見しました。このように惑星が逆行する現象は、複数の巨大惑星が重力によってお互いをはじき飛ばしたり、伴星の存在によって惑星の軌道の傾きが振動したりすることにより生じる可能性がある と予言されていましたが、観測によって実際に発見されたのは今回が初めてです。太陽系外惑星には、太陽系とはまったく異なる公転軌道をもつ惑星の存在が多 数知られていますが、今回の発見は惑星が誕生してから現在の軌道に至るまでの惑星系の進化を理解するうえで重要な観測成果です。

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姿を現した宇宙の骨格
姿を現した宇宙の骨格
2009年11月3日

 70億光年彼方の宇宙に、銀河集団のなす超巨大な宇宙構造がうかびあがりました。 今回の発見は、すばる望遠鏡とヨーロッパ南天天文台の VLT という、世界で最も強力な2台の地上望遠鏡によってもたらされたものです。このような超巨大な構造が、これほど遠くの宇宙で見つかったのは初めてのことで、宇宙の「くもの巣構造」がどのようにしてできあがったのか、構造の形成にともなってどのように銀河が進化したのか、といった謎に手がかりが得られると期待されています。

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星形成銀河NGC253の輝線比マップ画像 ~銀河風の正体を探る~
星形成銀河NGC253の輝線比マップ画像 ~銀河風の正体を探る~
2009年10月26日

 京都大学の研究グループがすばる望遠鏡に特殊な観測装置を取り付け、近くにある星を大量に作り出している銀河、NGC253の銀河風を観測し、輝線比マップを作ることに世界で初めて成功しました。その結果、これまで観測が難しく謎に包まれていた銀河風の電離メカニズムを詳細に調べることができ、 NGC253の銀河風は主に衝撃波によって光っていることが分かりました。

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すばる望遠鏡、探査機の月面衝突の観測に参加
すばる望遠鏡、探査機の月面衝突の観測に参加
2009年10月9日

 東京大学、宇宙航空研究開発機構、国立天文台などの研究者からなる観測チームは、水の存在確認を目的とするアメリカ航空宇宙局 (NASA) のエルクロス・ミッションの月面衝突について、すばる望遠鏡による観測を実施しました。NASA によりますと、月面への衝突は計画通りに起こった模様です。衝突直後の簡易データ解析の結果、月面からの放出物の観測に成功したかどうかは不明なため、観測チームは詳細なデータ解析を続行しています。

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渦巻銀河NGC6946外縁部の活発な星形成活動
~「すばる望遠鏡観測研究体験企画」参加者による研究成果~
渦巻銀河NGC6946外縁部の活発な星形成活動 ~「すばる望遠鏡観測研究体験企画」参加者による研究成果~
2009年9月8日

 すばる望遠鏡主焦点カメラで取得された渦巻銀河NGC6946の広域画像の解析から、この銀河の外縁部では活発に星が形成されていることがわかりました。今回の観測では、星生成活動を示す電離水素領域を1413個も検出することに成功し、今まで詳しく調べられていた領域の約2倍にあたる、銀河中心から半径6万光年という辺境部にも 電離水素領域が存在することを初めて発見しました。これは銀河の星がわずかしか存在しないような領域でも星生成活動が行われていることを示すものです。この結果は、今まであまり理解が進んでいない銀河外縁部の基礎的観測データを提供するとともに、星形成の条件を理解する手がかりを与えるものです。この観測研究は、「すばる望遠鏡観測研究体験企画に参加した学生によって行われたもので、2009年天文学会秋季年会で報告されます。

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すばる望遠鏡128億光年彼方に宇宙最遠方の超巨大ブラックホールホスト銀河を発見
すばる望遠鏡128億光年彼方に宇宙最遠方の超巨大ブラックホールホスト銀河を発見録
2009年9月2日

 ハワイ大学の後藤友嗣研究員らは、これまでに知られた中で最遠のブラックホールを中心に持つ、巨大な銀河を発見しました。地球から約128億光年かなたにあるこの銀河は、私たちの銀河系とほぼ同じ大きさで、中心のブラックホールの質量は太陽の10億倍以上です。今回の発見は、宇宙初期に巨大銀河と超巨大ブラックホールが急激に形成した現場を捉えたものと考えられます。

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9等星に残されていた初期宇宙の超新星の記録
9等星に残されていた初期宇宙の超新星の記録
2009年8月20日

 ビッグバン後の宇宙は、水素・ヘリウム・リチウム以外の元素は存在しない世界であり、その後誕生し、死んでいった星々によって重い元素が供給され、蓄積されてきたと考えられています。銀河系にみられる重元素の非常に少ない星は、初期宇宙に誕生した星の生き残りであり、宇宙の初代星による元素合成の結果を記録しているとみられます。これらは宇宙における構造形成の要となる初代星の正体を探る鍵のひとつです。

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らせん状星雲に見られる、水素分子の塊の詳細構造をとらえる
―赤外線の眼で楽しむ、宇宙の花火―
らせん状星雲に見られる、水素分子の塊の詳細構造をとらえる ―赤外線の眼で楽しむ、宇宙の花火―
2009年7月2日

 国立天文台などの研究者からなるグループが、すばる望遠鏡の近赤外線カメラ MOIRCS を使って、惑星状星雲における水素分子の分布を明らかにすることに世界で初めて成功しました。一般的に、惑星状星雲は「もやもや」とした霧状のガスからなるイメージを持たれがちです。ところが、近赤外線で惑星状星雲を見てみると、彗星のような形をした多数の塊が惑星状星雲のほぼ全体にわたって分布していることがわかりました。塊の数は約4万個にものぼり、同心円状に広がっている様はまるで「宇宙の花火」のように見えます。

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すばる望遠鏡、銀河合体の謎を解く
すばる望遠鏡、銀河合体の謎を解く
2009年6月9日

 近傍の宇宙には複数(2個以上)の銀河が合体したと考えられる天体があり、そのいくつかは赤外線で非常に明るく輝くウルトラ赤外線銀河として注目を集めていました。これらの銀河では爆発的な星生成現象が起こっており、その明るさは天の川銀河の100倍以上もあります。なぜ、このような激しい星生成が起こっているのか、その物理的なメカニズムは不明のままでした。
 その解明には、ウルトラ赤外線銀河がどのような銀河の合体で誕生したのかを見極める必要があります。ところが、合体が進行するにつれてその痕跡は見えにくくなるので、どのような合体が起こったかを調べるのは、大変難しい状況が続いていました。

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すばる、系外惑星の撮影に成功

すばる、系外惑星の撮影に成功
2009年5月21日

 大阪大学、神戸大学、国立天文台などの研究者からなるチームが、すばる望遠鏡によって太陽系外惑星の像を直接得ることに成功しました。2008年11月、ケック望遠鏡とジェミニ望遠鏡がHR 8799という恒星を周回する3つの惑星の撮影に成功したというニュースが世界を駆け巡りました。この HR 8799は2002年にすばる望遠鏡で観測されていたため、研究チームが新たに惑星検出に最適化した画像解析を行ったところ、一番外側の軌道をまわる惑星が見つかりました。まもなく、高性能の観測装置を用いた系外惑星探査プロジェクトが始まります。今回の成果は、今後の系外惑星研究に向けての大きな弾みとなります。

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古代宇宙で巨大天体を発見ー謎のガス雲ヒミコー

古代宇宙で巨大天体を発見ー謎のガス雲ヒミコー
2009年4月22日

 多数の望遠鏡を使った観測により、ビッグバンから約8億年後の生まれて間もない宇宙で、不思議な巨大天体が発見されました。これは、ライマンアルファ・ブローブという天体に分類され、その巨大なガス雲は将来銀河になる可能性を秘めていますが、本当はどうなのか分かっていません。研究者たちは、この古代宇宙でみつかった謎の巨大天体をヒミコと名付けました。これは弥生時代後期における倭国の女王、卑弥呼に由来しています。ヒミコは5万5千光年にも広がり、宇宙初期の時代の天体としては記録的な大きさで、現在の天の川銀河の円盤の半径に匹敵します。

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すばる望遠鏡、結晶質の炭素分布箇所の観測に成功
― 宇宙でのダイヤモンドの作り方 ―

すばる望遠鏡、結晶質の炭素分布箇所の観測に成功 ― 宇宙でのダイヤモンドの作り方 ―
2009年4月14日

 ドイツのマックスプランク天文学研究所の研究者らのチームは,すばる望遠鏡を使い,太陽の2倍程度の重さをもつイライアス1(おうし座の方向にあります。)という天体の周辺で炭素を含む物質の分布を調べた結果、中心星付近の30天文単位(1天文単位は太陽ー地球の距離)の距離にダイヤモンドから放射される特徴的な赤外線が強く観測されました。これは、すばる望遠鏡の高い技術を持った補償光学装置を利用することによって得られた観測で、世界で初めてのことです。この観測結果とこれまでに知られている中心星の情報および実験室内での実験結果を照合することで、天体に存在している炭素物質が中心星からの熱などにあぶられてダイヤモンドができるというモデルを提案しました。研究チームは、今後さらに詳細な観測を進めることにより,ダイヤモンドが形成される温度や密度といった環境条件の特定を進めたいと考えています。

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天文学者を悩ます重量級銀河たち

天文学者を悩ます重量級銀河たち
2009年4月3日

 イギリスの大学などの研究者チームは、すばる望遠鏡の観測により、宇宙創生のかなり初期に巨大な銀河があることを発見しました。これまでの考え方では、初期宇宙には小さく軽い銀河ばかりが存在し、それが衝突合体して大きな銀河に成長して現在の姿に至ったとされています。しかし今回の発見により、重量級の銀河もかなり昔から存在していたことが明らかになりました。そのような銀河は、どうして作られたのでしょうか。

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すばる望遠鏡、若い恒星周囲の円盤表面に氷を発見 ― 海の材料か?

すばる望遠鏡、若い恒星周囲の円盤表面に氷を発見 ― 海の材料か?
2009年2月17日

 国立天文台などの研究者チームは、すばる望遠鏡に搭載されたコロナグラフで、太陽系外の若い恒星の周りにあるガスと塵の円盤 (原始惑星系円盤) の表面に固体の水である氷が存在していることを初めて直接的に確認しました。 これまでの観測から氷の存在は示唆されていましたが、円盤にあるのか円盤を取り巻く構造 (エンベロープ) にあるのかは良く分かっていませんでした。今回、すばる望遠鏡の高い解像力により、氷が惑星形成現場である原始惑星系円盤にあることが初めてわかったのです。

 惑星は、原始惑星系円盤の中でチリが大量に集まってできると考えられています。そのときに、塵に含まれていた氷が惑星の海の材料になる可能性があります。今回発見された氷は、将来、この恒星のまわりに惑星が生まれるときに、そこでの海や生命の誕生を議論するための貴重な観測データになります。

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「すばる望遠鏡、遠方宇宙の銀河からの強力な紫外線の検出に成功
- 宇宙暗黒時代の終わりの解明に向けて前進」

「すばる望遠鏡、遠方宇宙の銀河からの強力な紫外線の検出に成功 - 宇宙暗黒時代の終わりの解明に向けて前進」
2009年2月9日

 国立天文台、大阪産業大、東北大、フランスなどの研究者からなる研究グループは、すばる望遠鏡を用いて、約120億年前の多数の銀河から、水素原子をイオ ン化する強い紫外線 (イオン化光) の検出に成功しました。これは、宇宙誕生から約10億年後 (およそ125億年前) に起きた「宇宙暗黒時代の終わり」= 「宇宙再イオン化」という現象の謎を解明するための重要な成果です。宇宙再イオン化は、宇宙初期の銀河からのイオン化光により引き起こされたと考えられて いますが、銀河からイオン化光を検出した例はこれまでわずか2例しかなく、実際に銀河がどれくらい宇宙再イオン化に貢献したのかは分かっていませんでし た。今回発表された研究では、すばる望遠鏡主焦点カメラの性能を活かした観測手法によって、一挙に17個もの銀河からイオン化光を検出し、このような遠方 銀河が宇宙再イオン化に大きな役割を果たしたことが示されました。この研究成果は、謎に包まれている「宇宙暗黒時代の終わり」の解明に向けた重要な一歩と 言えるでしょう。

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『すばるの赤外線観測で進む、星の「人口調査」:見えてきた軽い構成員たち』
すばるの赤外線観測で進む、星の「人口調査」:見えてきた軽い構成員たち
2009年1月29日

 宇宙に無数にある星ぼしの重さ (質量) は何で決まっているのでしょう?太陽に比べて重い星や軽い星がそれぞれどれくらいあるのでしょう?太陽の何倍まで重い、あるいは、何分の1まで軽い星まで存在するのでしょう?これらは天文学で最も重要な課題の一つです。なぜならば、宇宙に約1000億個あるとされる銀河も、それを構成する要素は、およそ1000億個の星ぼしだからです。現在の宇宙にはさまざまな年齢の星があり、重さにより寿命が異なるため、数が少ないのはもとから少ないのか、寿命が短いのかを区別しなければなりません。そのため、この問いに答えるための第一歩は、もともとの星の質量分布 (星ぼしが生まれたときに、どの重さの星がどれくらいの数だけ存在したのかという、いわば星の人口統計) を調べることです。このような分布調査を「初期質量関数」という用語で呼んでいます。

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渦巻銀河M33の高解像度画像 -- 銀河の星形成史の全容解明にむけて --
渦巻銀河M33の高解像度画像 -- 銀河の星形成史の全容解明にむけて --
2009年1月22日

 M33(さんかく座星雲)は,アンドロメダ銀河に次いで銀河系に近い渦巻銀河です。銀河系からは 約250 万光年の距離に位置し,ほぼ真正面を向いているため、渦巻銀河の構造を調べるには最適な天体です。この銀河の高解像度画像が、すばる望遠鏡主焦点カメラによって得られました。カメラの8視野分(満月8個分程度)の広さ、9万光年×6万光年の大きさにわたるもので、M33についてこれだけの広さをこれだけの深さでカバーした高解像度の観測は他にありません。この画像を解析すると、星や星団、星形成領域などひとつひとつの天体と、銀河構造との関係を調べることができます。

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