観測成果

2006年 : 科学的成果報告 (英語)

レーザーガイド補償光学のファーストライト成功 ~すばる望遠鏡の視力を10倍にするレーザーガイド補償光学!~
レーザーガイド補償光学のファーストライト成功 ~すばる望遠鏡の視力を10倍にするレーザーガイド補償光学!~
2006年11月20日
国立天文台ハワイ観測所は,平成14年度から研究開発に着手した (1) 188素子補償光学系及び (2) レーザーガイド星生成システム (※) をすばる望遠鏡に搭載し試験観測とレーザービームの初照射を行いました。これらのシステムが本格稼働するとすばる望遠鏡の観測性能が格段に向上されます。
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見えた 原始惑星系ガス円盤の内壁~円盤消失のメカニズムに迫る~
見えた 原始惑星系ガス円盤の内壁~円盤消失のメカニズムに迫る~
2006年10月23日

 すばる望遠鏡の近赤外線分光撮像装置 (IRCS) と波面補償光学装置 (AO) を組み合わせて、HD141569Aという若い星からの一酸化炭素分子(CO)輝線を観測しました。この星が広がった星周円盤を持っていること、またその内壁が一酸化炭素輝線で光っていることは、これまでに知られています。また、若い星の周りで回転する円盤状の構造が撮像されることも、まれではありますが初めてではありません。マックスプランク研究所の後藤美和研究員らが行った今回の観測の新しい点は、以下の3つです:

  1. 回転する円盤の詳細構造を見分けることにより、内側のふちまで見きわめたこと
  2. それを円盤物質の大部分を担うガス成分で見きわめたこと (これまでの円盤撮像の大部分は、量としてはわずかな固体物質を基準としています)
  3. そのガス円盤中心の開口の半径11天文単位 (およそ木星軌道の2倍) がこの星の重力半径 (星からの光で電離されたガスが、星の重力を振り切って散逸することができる最小半径) と対応していることを見つけたこと
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「最も遠い銀河の世界記録を更新」-宇宙史の暗黒時代をとらえ始めたすばる望遠鏡
「最も遠い銀河の世界記録を更新」-宇宙史の暗黒時代をとらえ始めたすばる望遠鏡
2006年9月13日
国立天文台の家正則教授、東京大学大学院生の太田一陽氏、国立天文台の柏川伸成主任研究員らの研究グループは、すばる望遠鏡の主焦点カメラと微光天体分光撮像装置を駆使して、これまでの記録を更新する、宇宙で最も遠い銀河の発見に成功しました。この観測のために特別に開発したフィルターを用いて撮影された41,533個の天体の中から赤方偏移が7.0の銀河の候補を2つ発見し、確認のための分光観測を行ったところ、そのうちの明るいほうの天体が赤方偏移6.964、距離にして約128億8千万光年、ビッグバンから約7億8千万年後の時代の銀河であることが確認されました。この銀河の発見によりビッグバンから約7億8千万年後には確実に銀河ができていたことが証明されました。また、この時代の銀河の数はその約6千万年後の数と比べても少ないことが今回の観測で明らかになり、これまで観測が届かなかった宇宙史の暗黒時代の解明に一歩を踏み出したことになります。
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すばる望遠鏡、127億年前の宇宙に超巨大ブラックホールを発見
すばる望遠鏡、127億年前の宇宙に超巨大ブラックホールを発見
2006年8月29日
宇宙航空研究開発機構の後藤友嗣研究員は、すばる望遠鏡を用いて、かに座の方向の127億年前の宇宙に、活発に物質を飲み込んで明るく輝く超巨大ブラックホール(クエーサー)を発見しました。これは日本の研究者によって発見された中では最遠方のクエーサーです。その超巨大ブラックホールの質量は、太陽の約20億倍と見積もられ、このような大質量のものが、宇宙誕生後わずか10億年程度で形成されたことは、超巨大ブラックホール形成の理論に大きな制限を与えることになります。また、クエーサーからの光の中性水素による吸収が完全でないことから、宇宙の再電離は、このクエーサーの方向において、127億年よりも以前であったことがわかりました。今後、すばる望遠鏡を用いて遠くのクエーサーを系統的に観測することにより、様々な方向での宇宙再電離の時期が明らかにされ、その理解が深まると期待されます。
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銀河の誕生を彩る巨大ガス天体と宇宙初期の大規模構造
銀河の誕生を彩る巨大ガス天体と宇宙初期の大規模構造
2006年7月26日
東北大学の林野友紀助教授、国立天文台の山田亨助教授、京都大学の松田有一研究員、東北大学の山内良亮大学院生らによる研究グループは、すばる望遠鏡の主焦点カメラを用いて、約120億光年彼方の宇宙の広い領域を観測しました。その結果、「超銀河団」以上のスケールで広がる銀河のフィラメント状大規模構造を発見しました。さらにこの構造に沿って、 私たちの銀河系の数倍の大きさを持つ「巨大ガス天体」を多数発見し、それらが大きな質量を持つことを明らかにしました。これら宇宙初期に存在した「巨大ガス天体」は、大質量銀河の誕生にまつわる重要な天体であると考えられます。
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すばる望遠鏡が土星に新衛星9個を発見
すばる望遠鏡が土星に新衛星9個を発見
2006年7月13日
国際天文学連合回報(IAUC),No 8727 によると、ハワイ大学のデービッド・ジューイット(David Jewitt)らの研究チームは、マウナケア山頂にある“すばる望遠鏡”を用いて、土星に新しい衛星9個を発見しました。 彼らの研究チームは、昨年5月にも、すばる望遠鏡、ケック望遠鏡、ジェミニ北望遠鏡などの望遠鏡群を用いて、土星に新しい衛星12個を発見していますが、今回の発見はそれにつぐ快挙です。
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すばる、新しい形の円盤を発見 ~多波長赤外線でみる惑星誕生現場の姿~
すばる、新しい形の円盤を発見 ~多波長赤外線でみる惑星誕生現場の姿~
2006年6月27日
名古屋大学、東京大学、国立天文台/総研大、宇宙航空研究開発機構、神戸大学、茨城大学の研究者たちからなる2つのチームが、すばる望遠鏡を用いて HD 142527 と呼ばれる若い星を撮影し、奇妙な形の原始惑星系円盤を発見しました。近赤外線から中間赤外線にかけて4つの波長で観測を行い、この円盤の構造や温度が詳しく解明されたのです。新たに発見された円盤はバナナ状の弧が向かい合った形をしており、以前に報告したドーナツ型やうずまき状の円盤などと併せると、惑星誕生の場である原始惑星系円盤がさまざまな形をとりうることが明らかになってきました。全体の形ばかりでなく、HD 142527 では星のすぐ近くにも内側の円盤が存在し、外側の円盤との間に「すきま」があるという特徴も分かりました。このすきまで既に惑星が誕生した可能性もあります。円盤の一部から外側に円弧状にうすく伸びる「角」のようなものは、他の恒星との接近遭遇のような歴史を反映していると思われます。今後は原始惑星系円盤の普遍的な要素と多様性を切り分け、さらに、多様性を作り出す原因を調べる研究を進めていきたいと研究チームは張り切っています。
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ガンマ線バーストで探る初期宇宙-誕生後9億年で、宇宙はすでに電離して いた-
ガンマ線バーストで探る初期宇宙-誕生後9億年で、宇宙はすでに電離して いた-
2006年5月25日
京都大学、東京工業大学、国立天文台の研究者からなるチームが、宇宙論の謎 を解く上で重要な手がかりとなる成果を得ました。ビッグバン直後の宇宙では 水素原子核と電子はバラバラに電離された状態でしたが、温度が下がる中で原子核と電子が結合し、中性の水素原子になりました。しかし現在の宇宙は再び 電離されていることが知られていて、この「再電離」がいつ、どのように起っ たのかは現代宇宙論の謎の一つです。昨年9月に、128億光年彼方のガンマ線バーストの光学スペクトルが日本のすばる望遠鏡で取得されましたが、研究 チームはこれを詳しく解析し、誕生後9億年で、宇宙はすでに電離していたことを突きとめました。これは今までクエーサーにより情報が得られていた時代 をさらに遡るもので、再電離の原因と考えられている宇宙初期の星形成活動に 重要な情報をもたらすと同時に、ガンマ線バーストによる初期宇宙の研究の威力が証明されました。
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すばる、崩れゆくシュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星をとらえる
すばる、崩れゆくシュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星をとらえる
2006年5月11日
地球へ接近中のシュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星 (73P/Schwassmann-Wachmann 3、シュワスマン・ワハマン第3彗星とも:以後 SW3 彗星) の本体 (核) のひとつが崩壊しつつある様子を、すばる望遠鏡がとらえることに成功しました。SW3 彗星の核は、これまでに50以上の小さい核へと分裂をしています。その中で、すばる望遠鏡は、B核と呼ばれる彗星核を地球から1650万キロメートルの距離にある段階で撮影し、その周辺に、ごく最近この核から分裂したと考えられる多数の微少な破片を写し出すことに成功しました。
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がか座ベータ星の塵円盤からの赤外線の偏り
がか座ベータ星の塵円盤からの赤外線の偏り
2006年4月20日
惑星は、恒星誕生の副産物として、若い時期に恒星を取り巻いていた円盤の中から生まれます。そのため、原始惑星系円盤、あるいは簡単にディスクとも呼ばれています。恒星が一人前になる過程で多くの円盤は消失してしまいますが、いくつかの恒星には多量の塵円盤が残っており、残骸円盤とも呼ばれます。原始惑星系円盤はガスと塵から成り、塵は地球型岩石惑星や木星型巨大惑星のコア、さらには生命の起源となる重要な構成要素です。
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スーパーコンピュータで銀河の進化を解明 -楕円銀河の生い立ち-
スーパーコンピュータで銀河の進化を解明 -楕円銀河の生い立ち-
2006年4月10日
専修大学の森正夫助教授と筑波大学の梅村雅之教授は、スーパーコンピュータを用いた世界最大級の大規模シミュレーションにより、すばる望遠鏡等で続々と発見された100億年以上の昔に存在した太古の天体の正体の謎を解明しました。飛躍的な観測装置と観測技術の進歩により、水素原子から出る、ある種の紫外線 (ライマンアルファ輝線) で明るく輝く太古の天体ライマンアルファエミッターが、はるか彼方の宇宙の深遠部で大量に発見されています。しかしながら、このような天体がどのように進化し、現在の宇宙のどういった天体に対応するのかは今まで謎でした。我々は、ライマンアルファエミッターで見られるような、非常に複雑な構造の発生メカニズムには、銀河進化の初期に大量に発生すると予測される超新星爆発の影響が、重要な鍵になっているのではないかと考えました。そして、この仮説を立証するため、銀河進化の流体力学シミュレーション解析に挑戦しました。
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高校生がすばるで観測-すばるマカリィ・スクール-
高校生がすばるで観測-すばるマカリィ・スクール-
2006年3月27日
国立天文台ハワイ観測所で行われてきた天文学の教育普及イベントの中でも、2005年8月に実施した「すばるマカリィ・スクール」は特別なプログラムでした。天文学者でも利用するのが難しいすばる望遠鏡を、高校生が自分たちで考えた研究テーマで観測を行える公募型プログラム──それが「すばるマカリィ・スクール」です。
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塵に埋もれた超巨大ブラックホールたち
塵に埋もれた超巨大ブラックホールたち
2006年2月15日
太陽の100万倍以上の質量を持つ超巨大ブラックホールが、激しく物質を飲み込むと、強いエネルギー放射をします。しかし、ガスや塵に埋もれて存在していると、見つけることが非常に困難になります。国立天文台を中心とする研究チームは、すばる望遠鏡を用いた赤外線観測により、数多く存在すると予想されていたにもかかわらず、これまでほとんど見つかって来なかった、塵に埋もれた活動的な超巨大ブラックホールが、赤外線で明るく輝く銀河の多くに存在する観測的証拠を得ました。
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