7つの装置
天体観測には大きく分けて、天体の形状や明るさを調べるために天体のイメージをとる「撮像観測」と、天体の温度や組成を調べるために天体からの光を細かく分けて測定する「分光観測」の2種類があります。また、可視光と赤外線では、宇宙の姿は大きく異なります。可視光では主に、太陽のような恒星や、その集団である銀河が見えます。一方、赤外線は、星形成領域のような温度の低い天体や、宇宙空間の塵に隠れて可視光では見えない天体の観測に適しています。
現在すばる望遠鏡では、独自に開発した116個のCCDによる8億7,000万画素の超広視野デジタルカメラHSCをはじめ、数多くの天体を同時に分光観測することが可能な近赤外線観測装置MOIRCS、すぐそばに明るいガイド星がない天域でも人工ガイド星をつくることで補償光学系を使った観測を可能にするレーザーガイド星生成システムが備わった188素子波面補償光学装置AOなど、6つの観測装置と1つの補助観測装置が使用されています。これらの多彩な観測装置によって可視光から赤外線までの波長をさまざまな方法で観測することが可能になります。