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天 体 名: 銀河団 RX J0152.7-1357、距離約70億光年
使用望遠鏡: すばる望遠鏡 (有効口径8.2m)、主焦点
使用観測装置: 主焦点カメラ(Suprime-Cam)
フィルター: V (0.55μm)、R (0.65μm)、i' (0.77μm)
カラー合成: 青(V) 、緑(R)、赤(i')
観測 日時: 世界時2003年9月26日 (V)、9月27日 (R)、9月26日 (i')
露出 時間: 120分 (V)、116分 (R)、75分 (i')
視 野: 3分角x3分角
画像の向き: 上が北、左が東
位 置: くじら座
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銀河は宇宙のなかでしばしば群がって存在しており、その群は銀河団とよばれています。すばる望遠鏡を用いて、銀河団の形成とその中での銀河の進化をパノラマ式に描き出そうという研究プロジェクト(PISCES計画、代表:児玉忠恭(国立天文台))が進められています。
その一環として撮られたこの画像は、宇宙年齢が現在の約半分であった、約70億年前の大型銀河団の中心部の姿です。画像の一辺は銀河団の距離ではおよそ450万光年、すなわち我々の銀河系からお隣りのアンドロメダ銀河までの距離の約2倍に相当します。わずかこれだけの空間に数百の銀河がひしめいています。
赤く見える銀河の大半は、この銀河団に属する銀河で、主に3つの塊になって存在し、それらが北東(画像の左上) から南西(右下)の方向に鎖状に連なっていることがわかります。実はこの画像の外側にもこの構造は広がっています。これは、銀河の塊がこのような鎖状構造に沿って重力で引き合って集まり合体し、より大きなシステムへと進化していくという、まさに巨大銀河団の形成現場を見ていると考えられます。このような銀河の集団化の過程では、個々の銀河も刻々と変化する周りの環境から大きな影響を受けながら進化します。宇宙では、銀河の形
態や星形成活動が銀河の疎密(すなわち環境)と密接な関係があることが知られていますが、それはこのような銀河団のできかたとそれに連動した銀河進化の結果と考えられます。
また、銀河団の中心部には、青く細長く延びた銀河が数多く見受けられます。これらは、さらに遠方の背景銀河から来る光が、銀河団による重力レンズ効果によって曲げられ、歪んで見えているものです。重力レンズの影響をうけた背景銀河の数や形、分布の様子などから、銀河団の総質量の地図を描き出すことができます。この方法で銀河団に含まれる暗黒物質(ダーク・マター)
と呼ばれる見えない物質の分布を調べることができるため、銀河の形成と暗黒物質の分布との関係も調べることができます。
この画像は、すばる望遠鏡の主焦点カメラで撮影された画像のごく一部分(約1%)です。この研究プロジェクトは、主焦点カメラの広い視野を生かしたユニークな遠方銀河団の研究であり、世界的にも大きな注目を浴びています。
2003年12月22日 |