すばる望遠鏡の主焦点に搭載される超広視野多天体分光器「オーノヒウラ PFS」は、2025年3月に本格的な科学運用を開始しました。広い視野内で最大約 2400 天体を同時に観測し、可視光から近赤外線にわたるスペクトルを一度に取得できる最先端の観測装置です。多数の遠方天体の光を同時に精密に分析できる世界最高水準の性能を備え、膨大な数の遠方銀河の探査とその物理的性質の解明に大きく貢献することが期待されています。
世界中どなたでもオンラインで観測体験できる「シャドウ・ザ・サイエンティスト(Shadow the Scientists; StS)」第2回日本語セッションを、日本時間 2026年3月14日(土)午後4時から2時間実施します。2024年11月に実施された第1回日本語セッションと同様に、すばる望遠鏡山麓施設のリモート観測室と参加者を Zoom でつなぎます。

図1:2024年11月15日に、ハワイ島ヒロにあるすばる望遠鏡リモート観測室にて実施された、第1回 StS 日本語セッションの様子。ジェミニ北望遠鏡の研究者ブライアン・ルモー(Brian Lemaux)さん、東北大学の兒玉忠恭教授らの研究グループが、近赤外線装置 MOIRCS を使って観測しました。動画を StS YouTube よりご覧になれます。(クレジット:Shadow the Scientists)
オーノヒウラ PFS を使った初の日本語セッションは、ハワイ時間 2026年3月13日(金)21~23時(日本時間3月14日 16~18時)に実施します。ハワイ大学天文学研究所の博士課程に在籍するフィン・ギディングス(Finn Giddings)さん、ジェミニ北望遠鏡の研究者ブライアン・ルモー(Brian Lemaux)さんほか「C3VO」研究チームが、初期宇宙に存在する、銀河が特に密集している銀河団・原始銀河団内の多数の銀河を分光します。C3VO チームは、作成した精密な銀河の地図をもとに、銀河団の形成と成長の過程の解明を目指しています。さらに、約 100 億年前の初期宇宙(宇宙年齢の 10~20 パーセントに相当)において、銀河同士がどの程度の頻度で重力により引き合い、衝突・合体していたのか、またそれが各銀河の中心にある超巨大ブラックホールの活動とどのように関係しているのかを明らかにしようとしています。
セッションでは、すばる望遠鏡(国立天文台ハワイ観測所)スタッフが、オーノヒウラ PFS の概要や装置の操作方法、ハワイ語名「オーノヒウラ」に込められた意味について解説します。参加者の皆さまは、観測の様子や研究者によるミニ講演を視聴できるほか、Zoom のチャット欄を通じて随時質問やコメントをお寄せいただけます。研究者がリアルタイムで回答し、双方向で交流できる参加型セッションです。
セッション詳細
日時:
2026年3月14日(土)16:00~18:00(日本時間)
2026年3月13日(金)21:00~23:00(ハワイ時間)
※途中入室、退室可
使用言語:日本語、英語
出演者:
すばる望遠鏡山麓施設(ヒロ)より
臼田-佐藤 功美子、田中 壱(国立天文台ハワイ観測所)、Brian Lemaux(Gemini-North/NOIRLab)
すばる望遠鏡山頂施設より
(未定)
すばる望遠鏡施設外より
田村 直之(国立天文台ハワイ観測所)、Finn Giddings、Roy Gal(Institute for Astronomy、University of Hawai‘i at Mānoa)、Jameeka Marshall(Shadow the Scientists)
※出演者は、予告なしに変更されることがあります。
参加には、事前登録が必要です。参加登録フォームに、氏名、メールアドレス、国/地域をご入力の上、お申し込みください。また、セッションは、オンライン会議システム「Zoom」を使用します。事前に Zoom のインストールをお願いします。
日本語セッションの2日前にあたる2026年3月12日(木)14:00 から 16:00(日本時間)には、同じ観測テーマで英語セッションを実施します。そちらも、ふるってご参加ください。
シャドウ・ザ・サイエンティスト(StS)について
StS は、特定の職業に就く人の後を追いながら業務内容や職場環境を理解する「ジョブ・シャドウイング(job shadowing)」のように、研究者の観測現場に立ち会い、観測がどのように進められるのかを理解するプログラムです。2020年のコロナ禍にカリフォルニア大学サンタクルス校の研究者が、天文・宇宙プログラムを支援するハワイ先住民による非営利団体オハナキロホク(‘Ohana Kilo Hoku)等とともに開始しました。これまでに、ハワイ島マウナケア山頂域にあるすばる望遠鏡、ジェミニ北望遠鏡、ケック望遠鏡や、カリフォルニア州にあるリック天文台など、世界各地の望遠鏡観測室からセッションを実施してきました。
すばる望遠鏡 MOIRCS による遠方銀河の観測(2024年11月 英語セッション、日本語セッション)や、SCExAO による系外惑星の直接撮像(2026年2月 英語セッション)など、過去のセッション動画は、StS YouTube でご覧いただけます。


