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すばる望遠鏡画像が「アストロ・デー」参加者を魅了

2022年7月11日 (ハワイ現地時間)
最終更新日:2023年9月21日

2022年5月14日、ハワイ島ヒロのショッピングモール「プリンス・クヒオ・プラザ」にて、毎年恒例の天文学イベント「アストロ・デー」が開催されました。2020年はコロナ禍で中止、2021年は天文学の体験キットをモールの店舗に託すのみと限定的な開催でしたが、今年は3年ぶりに対面での開催となりました。

ハワイ州ではマスク着用の義務や集会の人数制限が廃止されたものの、コロナ禍が終わったわけではない状況を考慮し、すばる望遠鏡のブースでは、接触を最小限に抑えたアクティビティを行いました。超広視野主焦点カメラ ハイパー・シュプリーム・カムで広大な宇宙画像を撮り続けた大規模戦略枠プログラム (HSC-SSP) のデータは、段階的に世界にむけて公開されています。公開された画像内を自由に散策できる「hscMap」を大画面に映し出すと、鮮明な画像に魅せられた人々が集まってきました。ハワイ島のオンラインニュース BIG ISLAND NOW (ビッグ・アイランド・ナウ) が翌日掲載したアストロ・デー記事のトップには、hscMap のデモに見入る子供達と大人の写真が大きく載っています。それだけ魅力的なコンテンツだったといえるでしょう。

すばる望遠鏡画像が「アストロ・デー」参加者を魅了 図

図1:大画面に映し出された HSC 画像に興味津々の子供。(クレジット:国立天文台)

さらに、国立天文台 4D2U プロジェクトが開発した4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka」(ミタカ) を使った宇宙旅行のデモを行ったり、ハーネスを背負ったデイ・クルーが観測前の作業について話したりしました。また、自宅で楽しめるオンラインコンテンツ - すばるキッズ市民天文学プロジェクト GALAXY CRUISE、朝日新聞の協力により、マウナケアの空をリアルタイムで見られる星空ライブカメラ - の情報をまとめたチラシを配布しました。

すばる望遠鏡画像が「アストロ・デー」参加者を魅了 図2

図2:(左上) スタッフの説明を聞きながらゲームコントローラーを上手に操作し、Mitaka での宇宙旅行を楽しむ子供。 (右上) ハーネスを付けたデイ・クルーが仕事内容を紹介。 (左下) 自宅で楽しめるオンラインコンテンツ「Subaru Telescope@Home」ちらしや、塗り絵、絵はがきなどの配布物も、好評でした。 (右下) ショッピングモールの中央ステージで、すばる望遠鏡について紹介するスタッフ。 (クレジット:国立天文台)

アストロ・デーにあわせて、ショッピングモールの中央ステージで開催されるのが、マウナケア天文普及委員会 (MKAOC) 主催のマウナケア・コイン・コンテストの表彰式です。このコンテストは、マウナケアの記念コインをデザインしようというキャッチフレーズで、2011年にハワイ観測所の臼田-佐藤功美子特別研究員 (当時) が、MKAOC メンバーと一緒に始めました。「私は 2009年の世界天文年に、ハワイ島の子供達向けに『宇宙ポスターコンテスト』を実施しました。アストロ・デーで表彰式を行った際、無名のコンテストにも関わらず、入賞者とそのご家族がとても喜んで下さったことに感動し、マウナケア・コイン・コンテストを始めました」と臼田-佐藤さんは振り返ります。2013年に帰国した後、2021年にハワイ観測所広報普及専門員として再びハワイ島に赴任した臼田-佐藤さんは「私が日本にいた間は、カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡 (CFHT) の天文学者ネイディン・マンセットさんを中心に MKAOC のメンバーがコンテストを続けて下さいました。ハワイに戻ってきた後、再びコインコンテストに関わることができるなんて、夢のようです」と喜びを語っています。

すばる望遠鏡画像が「アストロ・デー」参加者を魅了 図3

図3:2022年のマウナケア記念コイン。265 件の応募から最優秀賞に選ばれたのは、パホア高校 11 年生のルチェ・ガノーさんの作品でした。 (クレジット:Maunakea Coin Contest Committee)

コロナ禍前と同じとはいかないながらも、すばる望遠鏡のブースでは9名のスタッフが、参加者と直接交流できる喜びを再認識しました。これからもハワイ観測所は、地元ハワイ島の人たちと天文学の楽しさを共有し、子供達が将来の進路を考えるきっかけとなるような活動を続けていきます。

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