
説明 | : | 低解像度(295KB) / 中解像度(1.79 MB) / 高解像度(10.8 MB) 超広視野主焦点カメラ ハイパー・シュプリーム・カム(HSC)を使って2014年から約7年かけ、330 夜の大規模観測を行ったすばる戦略枠プログラム(HSC-SSP)で得られた広大な宇宙画像の中には、複数の銀河が重力を及ぼしあい、お互いの形を乱しあっている「衝突銀河」がたくさん写りこんでいます。その形は多種多様。重力相互作用の結果、地球から見ると、くらげのような形をした銀河ペアもあれば、ペンギンと卵のように見えるものもあります。 この画像は、うみへび座の方向にある衝突銀河のペアで、ペンギンに見える銀河が NGC 2936 です。ペンギンの左下、卵に見える楕円銀河 NGC 2937 の重力を受けて形が歪んでしまったと考えられます。Arp 142 は、ふたつの銀河をあわせた名称です。 NGC 2936 は、もともとは渦巻銀河だったと考えられており、ペンギンの目にあたる一番明るい部分が銀河の中心核です。くちばしや輪郭で青白く見えている部分では、衝突 (重力相互作用)により活発な星形成が行われ、生まれたばかりの若い星々が青白く輝いています。それに対して、卵に見える楕円銀河は古い星が多いので、全体的に赤い(オレンジっぽい)色をしています。 ペンギンを取り囲むように淡くぼんやりした衝突の痕跡が写っているのは、8.2メートルという大口径のすばる望遠鏡だからこそ捉えられた構造と言えるでしょう。さらに広視野を誇るHSCは、ペンギンの左上、少し離れたところに見える淡い衝突の痕跡も捉えています。 (クレジット:国立天文台;画像提供:田中賢幸) 【地球からの距離】約 3.3 億光年 【観測装置】超広視野主焦点カメラ ハイパー・シュプリーム・カム(HSC) |
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