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伊藤慧さんが、すばる望遠鏡データを用いた博士論文で SOKENDAI 賞を受賞

2022年5月26日 (ハワイ現地時間)
最終更新日:2023年9月21日

2022年3月に総合研究大学院大学で博士号の学位を取得した伊藤慧 (いとうけい) さんが、その優れた成果を評価され、第8回 SOKENDAI 賞を受賞しました。受賞対象となった博士論文のタイトルは「Star Formation Activity of Galaxies and its Relationship to Environment in Distant Universe (遠方宇宙における銀河の星形成活動とその環境との関連性)」です。この研究の一部は、2022年5月26日付のハワイ観測所観測成果にも掲載されました。

伊藤慧さんが、すばる望遠鏡データを用いた博士論文で SOKENDAI 賞を受賞 図

国立天文台三鷹キャンパスの正門にて SOKENDAI 賞の表彰盾を手にする伊藤慧さん (クレジット:総合研究大学院大学)

銀河は宇宙の歴史の中で星を作りながら成長し、やがて星を作るのを終え成長を止めることが知られています。また、現在の宇宙においては、こうした星形成活動が宇宙の大規模構造における銀河の位置、つまり、環境に依存することが報告されています。しかしながら、宇宙の歴史を遡った遠方の宇宙においては、多くの点が未だ謎に包まれています。この博士論文では、すばる望遠鏡の Hyper Suprime-Cam を用いた戦略枠プログラム (HSC-SSP) や多波長サーベイである Cosmic Evolution Survey による遠方宇宙の銀河の観測結果を通して、銀河の星形成活動が環境の影響をいつから受け、そしてなぜ星形成活動が終わったのかを調査しています。その研究の1つである、星形成活動を終えようとしている銀河のX線と電波における観測結果については、2022年5月26日付のハワイ観測所観測成果をご覧ください。

受賞した伊藤さん (現・東京大学 学振特別研究員) は「この度は SOKENDAI 賞を頂戴し大変光栄に思います。ひとえに総研大・国立天文台の皆様や共同研究者からの支援と指導教員のご指導のおかげだと感じています。日本の天文学研究の一大拠点である国立天文台ですばる望遠鏡をはじめとした最先端の望遠鏡を用いて研究を行うことができ、総研大での生活はとても充実していました。これからも総研大・国立天文台出身の研究者、そして SOKENDAI 賞受賞者として研究に邁進していく所存です」と話しています。

総合研究大学院大学は、国立天文台を含む研究機関等を拠点として大学院生の教育を行う大学です。院生は、日本の最先端研究の現場で一流の研究者と共に博士論文研究に取り組みます。SOKENDAI 賞は、その中でも特段に顕彰するに相応しい研究活動を行い、その成果を優れた学位論文にまとめて課程を修了し、学位を取得した修了生を表彰する賞として創設されました。

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