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ドーム外壁塗料剥離の影響調査について

2025年5月7日 (ハワイ現地時間)
最終更新日:2025年7月3日

2024年10月15日に報告いたしました、ハリケーン Hone(ホネ)によるすばる望遠鏡ドーム下部外壁側面の一部の塗料剥がれについて、外壁の断面分析、塗料の材質調査、および塗料の飛散範囲に関する数値シミュレーションを実施しましたので、その結果をご報告いたします。

剥離した塗料は約 0.02 ミリメートルの厚さで、材質はフッ素樹脂と白色顔料である酸化チタンから構成されていることが確認されました。これらはいずれも化学的に安定な物質です。剥離した塗料の総重量は、材質の推定比重と剥離した面積と厚さから約 14 キログラムと見積もられました。

飛散範囲に関する数値シミュレーションも実施しました。エレベータタワーから剥離し飛散した塗料片は、エレベータタワー付近から風下方向(北西)に約 100 メートルの範囲に分布しているという計算結果になりました。また、ドーム外壁から剥離した塗料片の飛散範囲は、ドーム付近と、風下方向(北西)に約 250 メートルから 400 メートルの範囲と見積もられました。実際に、ドームやエレベータタワー付近を調べたところ、数ミリメートル程度かそれ以下の塗料片が、粗い粒状のシンダー(火山性礫)の隙間に入っているのが確認されました。

剥離して飛散した塗料片が、風雨などで再び飛散する可能性は低く、安定な状態のまま現在の場所に止まることが予想され、環境への影響をさらに拡大させる懸念はほとんどないと判断しております。

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