2024年10月2日(現地時間)、イースター島、チリ、アルゼンチンなどで金環日食が、ハワイでは部分日食が見られました。ハワイ諸島はアメリカ合衆国内でこの日食が見られた唯一の場所で、日の出前から食が始まり、東の空に欠けた太陽が昇りました。
ハワイ観測所(すばる望遠鏡)サポートアストロノマーのベラ・マリア・パッセガー(Vera Maria Passegger)さんは、マウナケア山頂域でその様子を写真に収めました。「日の出を迎えた時には、月が太陽の右上を覆って食が始まっていました。午前6時46分に食の最大となり、約 50 パーセントが欠けました。通常の朝に比べて著しく暗く、風景がぼんやりと見えました」とパッセガーさんは語ります。この朝は、麓の街ヒロでもわずかな雲があるだけで晴天に恵まれ、日食を楽しんだ方がいたことでしょう。
次回ハワイで見られる部分日食は、2031年11月14日に起こります。

図1:2024年10月2日 午前6時13分(ハワイ時)、マウナケア山頂域で撮影した日の出。部分食が始まった状態で太陽が姿を見せました。(Canon EOS 600D, 300mm, f/13, 1/500 s, ISO 400)(クレジット:Dr. Vera Maria Passegger/NAOJ)

図2:すばる望遠鏡施設から撮影した、マウナケア山頂域の日食。望遠鏡は左から順に、NASA 赤外線望遠鏡施設(IRTF)、カナダ-フランス-ハワイ望遠鏡(CFHT)、ジェミニ北望遠鏡、ハワイ大学 2.2 メートル望遠鏡、UK 赤外線望遠鏡(UKIRT)。(Canon EOS 600D, 18mm, f/13, 1/250s, ISO 100)(クレジット:Dr. Vera Maria Passegger/NAOJ)

図3:300 mm ズームレンズと自作の太陽用フィルターで撮影した日食の合成写真。(Canon EOS 600D, 300mm, f/7 - f/13, 1/15 - 1/200 s, ISO 100)(クレジット:Dr. Vera Maria Passegger/NAOJ)