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マウナケアに現れた紫金山・アトラス彗星

2024年10月9日 (ハワイ現地時間)
最終更新日:2024年11月6日

紫金山・アトラス(ツーチンシャン・アトラス)彗星(C/2023 A3)が見ごろを迎えつつあります。北半球では、1997年のヘール・ボップ彗星以来の明るい彗星になるかもしれないと期待されているこの彗星を、ハワイ観測所の職員が撮影しました。

ハワイ観測所(すばる望遠鏡)サポートアストロノマーのベラ・マリア・パッセガー(Vera Maria Passegger)さんは、2024年9月27日と10月2日の夜明け前(午前5時頃)にマウナケアで紫金山・アトラス彗星を撮影しました。「彗星の尾が長くてびっくりしました。空に向かって 10 度以上伸びており、この長さは満月 20 個分に匹敵します」とパッセガーさんは語ります。

紫金山・アトラス彗星は 2023年1月に発見され、2024年9月27日(ハワイ時)に近日点を通過(太陽に最接近)しました。10月12日に地球へ最接近しますが、この頃から夕方の西の低い空で観察できるようになります。しし座の一等星レグルスと同じくらい明るくなり、肉眼で観察できるかもしれません。(ただし、彗星の位置する西の低空は、薄明が残って空が明るく、観察が容易でない可能性があります。)10月15〜19日頃(ハワイ時)、彗星の高度がやや上がり、明るさもまずまずで、最も観察しやすくなると予想されています。詳しくは、国立天文台のサイトをご覧ください。

マウナケアに現れた紫金山・アトラス彗星 図4

図1:2024年9月27日、日の出約1時間前にマウナケア中腹のハレポハク(標高 2800 メートル)で撮影した、紫金山・アトラス彗星と月。(Canon EOS 600D, 40mm, f/5.0, 180s, ISO 3200)(クレジット:Dr. Vera Maria Passegger/NAOJ)

マウナケアに現れた紫金山・アトラス彗星 図5

図2:2024年10月2日、日の出約 45 分前にマウナケア山頂域、天文台群の向こうに姿を見せる紫金山・アトラス彗星。望遠鏡は左から順に、NASA 赤外線望遠鏡施設(IRTF)、カナダ-フランス-ハワイ望遠鏡(CFHT)、ジェミニ北望遠鏡、ハワイ大学 2.2 メートル望遠鏡、UK 赤外線望遠鏡(UKIRT)。(Canon EOS 600D, 18mm, f/3.5, 40s, ISO 800)(クレジット:Dr. Vera Maria Passegger/NAOJ)

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