国立天文台と朝日新聞社は、ペルセウス座流星群の極大日を含む3日間、すばる望遠鏡のあるハワイ島のマウナケア山頂域から、星空特別配信を行いました。視聴者数は3日間で延べ 65 万人に上り、世界中の多くの方々が星空の美しさとペルセウス座流星群の姿を楽しみました。
この特別配信では、すばる望遠鏡のキャットウォーク(注1)に常設されている星空ライブカメラ(東の空が見える)に加えて、すばる望遠鏡のドームと南の空が見える位置に特別配信カメラを設置し(図1)、ふだんよりも広い範囲の星空をお楽しみいただけるようにしました。また、今回から、常設カメラも含め、4K による星空配信を行っています。
さらに、流星群ピークの 8月12日には、マウナケアの標高 2800 メートル付近にある施設(ハレポハク)からも配信を行いました(図2)。この配信では、夕暮れの空に浮かぶマウナロアの姿と、そこから見える南の夜空を見ながら、朝日新聞の東山デスクを聞き手として、3人の専門家からお話を伺いました。

図2:ハレポハクに設置した特別配信カメラから見た、夕暮れのマウナロア。手前の光はハレポハクの隣にあるオニヅカ・ビジターセンターに来た来訪者の光。タイムラプス動画はこちら。(クレジット:国立天文台・朝日新聞社)
お招きしたゲストスピーカーは、日本の流星群予報の第一人者である国立天文台の佐藤幹哉さん、明石市立天文科学館館長で天文学広報普及活動の第一人者である井上毅さん、そして、すばる望遠鏡の建設など日本の天文学研究に大きな足跡を残されている国立天文台名誉教授の家正則さんの3名です。どのお話も、それぞれのご専門に根差した、大変興味深い内容です。まだご覧になっていない場合は、ぜひアーカイブからご視聴ください。
なお、今回の特別配信に際しては、マウナケア管理に責任を持つ、ハワイ大学の Center for Maunakea Stewardship(CMS)、Maunakea Support Services の関係者の方々にもお世話になりました。CMS の Direcotor を務める Nahua Guilloz さんは次のコメントを寄せてくださいました。
「すばる望遠鏡の星空ライブカメラは、世界中の何万という人々に、マウナケアという世界有数の観測地から見た星空を遠隔地から体験するという、特別な体験を提供してくれました。CMS は、最先端の天文学研究が行われるこの比類のない土地の保存に携わることを光栄に思います」
特別対談を含む、3日間の動画は、朝日新聞宇宙部の特別配信アーカイブからご覧になれます。ペルセウス座流星群の放射点が高い位置に来る夜明け頃にかけては、特に数多くの流星が見られます。見逃した方はぜひ以下のアーカイブ動画で、流星達の美しい姿を楽しんでください(日付はハワイ時での動画開始日、カッコ内の数字は動画の継続時間です)。
常設の星空ライブカメラ(東の空:マウナケア観測所群を望む)
8月11日(11:07:10)
8月12日(11:43:05)
8月13日(11:47:12)
特設の星空ライブカメラ(南の空:すばる望遠鏡のドームを望む)
8月11日(11:08:40)
8月12日(11:30:54)
8月13日(11:54:05)
ハレポハク特別配信カメラ(対談含む)
8月12日(10:05:10)
(注1)すばる望遠鏡の「キャットウォーク」は、ドームの外側、地上高 14 メートルの所にめぐらされた、作業用の通路のことを指します。