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星空ライブカメラが地球観測衛星からの微弱なレーザー光を捉える

2023年2月14日 (ハワイ現地時間)
最終更新日:2023年2月19日

2023年1月28日深夜過ぎ(ハワイ時)、すばる望遠鏡に設置された「星空ライブカメラ」が、パルス状に照射された緑色のレーザー光を捉えました。一瞬の出来事でしたが、星空ライブカメラの熱心な視聴者が発見しました。

星空ライブカメラが地球観測衛星からの微弱なレーザー光を捉える 図

図1:2023年1月28日、星空ライブカメラが捉えた、緑色のレーザー光。動画のうち、レーザー光が通過した約 0.8 秒間の 24 フレームを比較明合成して作成した画像です。(クレジット:国立天文台・朝日新聞社)

動画1:2023年1月28日、星空ライブカメラが捉えた、緑色のレーザー光。すばる望遠鏡 YouTube サブチャンネル 管理人_SubaruTel_StarCamAdmin(@subarutel_starcamadmin)では、星空ライブカメラが捉えた天文現象等や、天候モニター用全天カメラの動画を視聴できます。(クレジット:国立天文台・朝日新聞社)

国立天文台と朝日新聞社は共同で、すばる望遠鏡の山頂施設に超高感度カメラを設置し、マウナケア山頂付近のリアルタイム映像を 365日24時間、YouTube で配信しています。昼は標高約 4200 メートルの絶景、夜は流れ星や天の川を観察できます。

2023年1月28日にカメラが捉えたレーザー光は、最初は NASA が 2018年に打ち上げた地球観測衛星 ICESat-2 が搭載する、レーザー高度計 ATLAS からのものだと推測されていました。しかし、ICESat-2 チームの研究者アンソニー・マルティーノさんと、アルバロ・イワノフさんをはじめとするチームメンバーは、ハワイ観測所と朝日新聞社宇宙部との議論の末、中国の上海航天技術研究院などが開発し 2022年に打ち上げた地球環境観測衛星 Dqui-1 からのレーザー光である可能性が高いことをつきとめました。

このレーザー光は人間の目では感知できないほど微弱な上、一瞬の照射でしたが、超高感度カメラが捉えました。2023年1月18日に同カメラが捉えた渦巻同様、星空ライブカメラの熱心な視聴者の方々が発見しました。

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