トピックス・お知らせ

トピックス

すばる望遠鏡 3D バーチャルツアー:世界最大級の光赤外望遠鏡を大公開!

2022年11月21日 (ハワイ現地時間)
最終更新日:2024年10月9日

国立天文台ハワイ観測所は、電気通信大学とマーターポート社と連携して、すばる望遠鏡ドームの 3D ショーケースを公開しました。酸素が地上の6割しかない、標高約 4200 メートルのハワイ島マウナケア山頂域に位置する、すばる望遠鏡ドーム内を、3D バーチャル空間を通じて散策することが可能です。お手元のスマートフォンやタブレット、PC、または VR ゴーグルで特設ページにアクセスすることで、現在非公開となっている望遠鏡ドーム内をいつどこでも気軽にお楽しみいただけます。

すばる望遠鏡 3D バーチャルツアー:世界最大級の光赤外望遠鏡を大公開! 図

図1:ドームの観測階から眺めたすばる望遠鏡の本体 (クレジット:国立天文台)

すばる望遠鏡は 1999年のファーストライトからこれまで 20 年以上の間、さまざまな科学成果を創出し公開してきました。しかし望遠鏡本体は日本から 6500 キロメートルも離れた位置にあるため、現地の観測の様子や望遠鏡の内部を気軽に見学いただくことが出来ません。遠く離れた高地の過酷な環境下で、どのようにして世界最先端の天文データが取得されるのかを、少しでも身近に感じていただければと思い、このバーチャルツアーを制作しました。一部施設については解説・動画付きでご覧になれます。

本企画を指揮した嶋川里澄特任助教 (国立天文台ハワイ観測所) は「建設時私はまだ小学生でしたが、当時の日本の先進技術が結集し、現在も最前線で活躍を続けるすばる望遠鏡のスケールや制御技術には今なお圧倒されます。ハワイ観測所の一職員としてこの体験を皆さんと共有できる機会が得られたことを大変喜ばしく思います。反響が良ければ今後より拡張していく予定です」と語っています。

共同制作者である宮上昌大氏 (電気通信大学) は「大学で研究している VR 分野を社会実装することができて大変嬉しく思います。VR ゴーグルを使用した 3D バーチャルツアー体験は、自宅であってもまるで現地で見学しているように感じられるため、もし VR ゴーグルをお持ちであれば是非ご体験ください」と語っています。

撮影には LiDAR (注1) を搭載したアップル社の iPhone 13 Pro とマーターポート社の Matterport Axis を使用しました。丸二日かけて取得した 200 枚に及ぶ撮影データをマーターポート社の専用アプリで合成・編集することで、インタラクティブな 3D バーチャルツアーが完成しました。今回撮影にあたり、マーターポート社より撮影指導等の多大なサポートをいただきました。

さらに、国立天文台三鷹施設に位置する天文台歴史館太陽塔望遠鏡の 3D ショーケースも国立天文台およびマーターポート社ウェブサイトにて公開しています。是非そちらも合わせてお楽しみください。


このプロジェクトは JST 次世代研究者挑戦的研究プログラム JPMJSP2131 より支援を受けています。


(注1) LiDAR は、対象に向かってパルス状に発光する赤外線レーザーを照射し、その散乱光を分析することで、対象までの距離や形状を計測し、高精度な 3D スキャンを実現する技術です。

■関連タグ