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すばる望遠鏡と次世代宇宙望遠鏡計画の連携を加速する「研究拠点形成事業」がはじまる

2021年8月11日 (ハワイ現地時間)
最終更新日:2021年8月11日

国際的な共同研究を推進する「研究拠点形成事業」として、国立天文台ハワイ観測所の吉田道利所長が代表を務める「地上・宇宙望遠鏡の連携による近赤外線広視野深宇宙探査時代の国際研究拠点形成」が採択され、2021年4月より正式に発足しました。2021年度から2025年度の5年間、日本学術振興会のサポートを受けて、近赤外線での広視野宇宙観測をキーワードに、日本・米国・フランス・オーストラリア・台湾の研究協力を加速していきます。

すばる望遠鏡と次世代宇宙望遠鏡計画の連携を加速する「研究拠点形成事業」がはじまる 図

図1:「研究拠点形成事業 SUPER-IRNET」で構築される、国際研究協力ネットワークのイメージ。高解像度イメージはこちら (2.5 MB)。 (クレジット:国立天文台/NASA/ESA/大阪大学/東京大学/CNES/ANU/ASIAA、デザイン協力:アダチ・デザイン研究室)

宇宙の果てには一体何があるのだろう? 宇宙で最初に生まれた天体はどんな姿をしていたのだろう? 私たちが幼い頃に抱いた「宇宙」という途方もない存在への純粋な好奇心 - この謎を解き明かすには、遠方宇宙まで見通すことができる「近赤外線」による観測が不可欠です。現在、近赤外線で広く宇宙を探査するための計画が世界中で進んでいます。2020年代中盤から後半にかけて、私たちはこれまで見たこともないような初代宇宙・初代天体のすがたを目にすることでしょう。

この研究拠点形成事業は、(1) すばる望遠鏡と、2020年代に打ち上げが予定されているナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡 (米国航空宇宙局)、ユークリッド宇宙望遠鏡 (欧州宇宙機関) の連携観測の実現と、(2) すばる望遠鏡の近赤外線観測能力を大幅に引き上げる次世代広視野補償光学システム「ULTIMATE-Subaru」の開発を主軸としています。これら最新鋭の次世代望遠鏡・観測装置計画に携わる研究者がスムーズに協力できる体制を構築することを目指します。

本事業のリーダーの一人で、ULTIMATE-Subaru 計画のプロジェクト・サイエンティストを務める国立天文台ハワイ観測所の小山佑世助教は「この事業が認められたことは ULTIMATE-Subaru 計画にとっても大きな一歩です。巨大な宇宙望遠鏡計画を進める諸外国の研究者からこうしてすばる望遠鏡の将来に期待が寄せられることを誇らしく思います」と語ります。

またこの事業では、大阪大学が南アフリカ共和国で運用する PRIME 望遠鏡、東京大学が南米チリで運用する TAO 望遠鏡の近赤外線観測装置 SWIMS など、日本国内の大学が主導する広視野赤外線望遠鏡・観測装置との連携も期待されており、事業の鍵を握る上述の五つの計画 "S"WIMS, "U"LTIMATE, "P"RIME, "E"uclid, "R"oman の頭文字をとって「SUPER-IRNET」と名付けられました。本事業に参加する各国の若手研究者の交流や複数回の国際研究集会の開催も予定しており、国立天文台ハワイ観測所が旗振り役となって、新時代の光赤外線天文学の幕開けをリードすることが期待されます。

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