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ハワイ観測所の現状について

2019年8月11日 (ハワイ現地時間)
最終更新日:2023年9月21日

ハワイ時間8月9日 (以下、日付はすべてハワイ時間) に、マウナケア観測所群は、観測所の「運用再開」の共同声明を出しました。

マウナケア観測所群の要請を受けて、ハワイ州が TMT 建設に反対しマウナケア・アクセス道路を封鎖している人々と交渉を重ねた結果、ダニエル・K・イノウエ・ハイウェイの横道 (旧サドル ロード) を使って、マウナケア・アクセス道路の封鎖箇所を回避して山頂アクセスできるようになったものです。これにより、各観測所は観測や日中作業に必要な最小限の人員および資材を山頂に上げられるようになりました。CFHT、ケック望遠鏡、ジェミニ望遠鏡、JCMT などはハワイ時間8月11日の週から夜間観測を再開します。

すばる望遠鏡は、ドームのメインシャッター改修工事が道路封鎖により停止しておりましたが、この度のアクセス確保措置によって、8月12日の週より再開できることになりました。並行して、観測装置の試験・整備作業も行います。すばる望遠鏡はメインシャッター工事のため、元々、7月22日から9月8日まで夜間観測は停止する予定でした。当初予定より工事開始時期が大幅に遅れましたが、9月8日までに工事を完了できるよう、改修スケジュールの一部を先送りするなどの調整をして、9月9日からは共同利用観測が再開できる見込みです。

定常的な山頂アクセスは確保されたとは言え、現在のアクセス方法は、狭くて状態の悪い旧サドルロードを使用するもので、道路の両脇には、TMT 建設に反対する人々がまだ多数集まっており、その通行は決して安全なものではありません。ハワイ州も現在の措置が暫定的なものであることを認めており、より安全かつ安定的なマウナケア山頂アクセスを確保すべく、交渉を進 めるとしています。

状況は相変わらず流動的であり、予断を許さない状況に変わりはありませんが、引き続きご支援いただければさいわいです。

国立天文台ハワイ観測所長 吉田道利

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