すばるギャラリー

ムービーギャラリー -すばる望遠鏡が見た◯◯-

2015年

超広視野主焦点カメラ HSC で挑む M81 銀河考古学
上海天文台、国立天文台などの研究者からなる国際研究チームは、すばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam (ハイパー・シュプリーム・カム, HSC) を使い、地球から 1200 万光年の距離にある渦巻銀河 M81 の周囲の広域観測を行いました。その結果、M81 の周りで若い星の集団が、中性水素ガスの分布と重なるように広い範囲に分布していることを発見しました。M81 は隣のスターバースト銀河 M82、楕円銀河 NGC 3077 と強い重力相互作用をしており、その潮汐効果で M81 から引き離されたガスの中で生まれた星々が、M81 の周りを漂っているのだと考えられます。
(2015年8月4日公開)

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2015年8月4日プレスリリース
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Hyper Suprime-Cam が描き出した最初のダークマター地図
国立天文台、東京大学などの研究者からなる研究チームは、すばる望遠鏡に新しく搭載された超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam (ハイパー・シュプリーム・カム, HSC) を用いて、「ダークマター」の分布の広域探査を進めています。今回研究チームは、HSC での観測初期に取得されたデータを用いた解析から、2.3 平方度にわたる天域におけるダークマターの分布を明らかにし、銀河団規模のダークマターの集中がこの天域に9つ存在することを突き止めました。ダークマター分布の広域探査は、宇宙膨張を支配する「ダークエネルギー」の強さや性質を調べる上でカギとなります。今回の初期成果により、ダークエネルギーの謎に迫るために必要な観測装置と解析手法が確立したことが示されました。研究チームは最終的に観測天域を 1000 平方度以上に広げ、ダークマターの分布とその時間変化から宇宙膨張の歴史を精密に計測する、という課題に取り組みます。
(2015年7月1日公開)

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2015年7月1日プレスリリース
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2013年

史上最遠方の宇宙立体地図が完成、ダークエネルギーの謎に迫る研究が進行中
京都大学、東京大学、オックスフォード大学などの研究者からなる国際研究チームは、す­ばる望遠鏡を使った FastSound という遠方銀河サーベイプロジェクトを進めています。広視野を確保できる主焦点に観測­装置を設置できるという、すばる望遠鏡の強みを生かしたファイバー多天体分光器 FMOS を用いて、約 30 平方度 (満月およそ 150 個分ほど) の領域で約 100 億光年以上彼方にある 5000 個の銀河までの距離を測定し、宇宙の年齢がまだ 50 億年以下 (現在は 137 億年) という太古の宇宙の立体地図を描き出す計画です。このような宇宙の三次元地図は、50 億光年ぐらいまでの距離ではスローン・デジタルスカイサーベイ (SDSS) などのプロジェクトで精密に観測が行われていますが、100 億光年より向こうではまだ例がなく、FastSound が世界で初めて切り込むものです。
(2013年8月7日公開)

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すばる望遠鏡 SEEDS プロジェクト、「第二の木星」の直接撮影に成功
東京工業大学・東京大学・国立天文台を中心とする研究チームは、地球から約60光年離­れた太陽型の恒星 (GJ 504) を周回する惑星 GJ 504 b を、世界で初めて直接撮像法で検出することに成功しました。この惑星は、惑星の明るさ­から質量を推定する際に生じる不定性が小さく、質量推定の信頼度が極めて高いものです­。これまで直接撮像された惑星と比較して、最も暗くかつ最も温度が低いことが分かって­おり、「第二の木星」の直接撮像にこれまでで最も近づいたと言えます。
(2013年8月4日公開)

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2013年8月4日プレスリリース
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新型の超広視野カメラが開眼、ファーストライト画像を初公開
すばる望遠鏡に搭載され、本格的な観測を始めた超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam (ハイパー・シュプリーム・カム, HSC) が、アンドロメダ銀河 M31 の姿を鮮明に捉えました。アンドロメダ銀河は一般にも有名な天体で、日本やハワイから­見える銀河としては見かけの大きさが最大のものです。それゆえ、従来の地上大望遠鏡で­はその姿を一度に捉えることができませんでした。今回すばる望遠鏡に新たに搭載された HSC は、満月9個分の広さの天域を一度に撮影できる世界最高性能の超広視野カメラです。独­自に開発した 116 個の CCD 素子を配置し、計8億7000万画素を持つまさに巨大なデジタルカメラです。HSC の持つ広い視野により、すばる望遠鏡はアンドロメダ銀河のほぼ全体を1視野で捉えるこ­とに成功しました。すばる望遠鏡に当初から搭載されている Suprime-Cam (シュプリーム・カム) では、アンドロメダ銀河の一部 (満月よりやや広い視野) をシャープに撮影できていましたが、HSC の登場により観測の効率がさらに大きく高まります。
(2013年7月30日公開)

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