Preparation of 8.3 m primary mirror for realuminizing.
湯谷正美 9/19/2001
第1次洗浄(9/7 Fri)
林S, 大島、中桐、倉上、周藤、能丸、Tom, Mike, Dennis, 原沢、嵯峨、Bob, Gary, 土井、湯谷、石川(三菱)、河辺(日立)
1,鏡面穴掃除 9:30 - 10:00
棒の先にコットンシーガルをしばったもの+アルコール。
2,養生 10:00 - 11:00
外周は,2〜3m間隔でスリットを入れ外側に広げるようにする。
マスキングシート+ビニールテープ(黄色)のセットを2重に巻く。
さらにビニールテープで上張りすると完璧。
スリットを入れた所にはさらに補強する。
3,水漏れチェック 11:00 - 11:10
4,原水による水洗 11:10 - 11:20
5,洗剤洗い 11:20 - 11:55
Liqui-Nox 5% 20liter 流す。
残っているグリスを手拭き 11:35 - 11:55
トラブル:塩酸用ポンプ空気吸う
ほとんどの人は昼食
6,塩酸用液によるコーティングの剥離 12:35 - 13:05
- 12:52 塩酸溶液 使い果たす。(40 liter)
- この時外周部にはまだアルミが残っていたが、そのまま塩酸を含んだモップを回転し続けるとアルミは完全に取り除けた。
- アルミが残った原因:モップの巻き方が太いものがあったので、隣り合ったモップ同士で干渉をおこし、鏡面への密着度が悪くなった。
7,水洗 13:07 - 13:31
純水使用量:タンク2/3 約1.3トン
8,主鏡をハッチ下まで移動
カセグレンプラグに延長ホース取り付け
10,エタノールを鏡面に流す。
使用量:8ガロン(30.4L)?
11,窒素ガスによる乾燥
- ノズル2本,窒素ガスのシリンダー 2本/ノズル
- アルコールの使用量が足らなかったので、カセグレン穴周囲に水滴が残った。
- レギュレータ探しに手間取る。
12,養生の取り外し
終了: 16時
第2次洗浄(9/10 Mon)
林S, 中桐、能丸、Tom, Mike, Dennis, 原沢、嵯峨、Bob, Gary, 土井、湯谷、石川(三菱)、河辺(日立)
1.養生 9:50 - 10: 35
2.水漏れチェック 10:35 - 10:45
カセグレンプラグの真空用ふたを取り忘れたためカセグレンプラグに水がたまった。 チャンバー内への水の浸入は無かった。
3.洗剤洗い & リンス 5%溶液 20L
4.重曹磨き ? - 11:35 20kg
5.重曹洗い流し 11:35 - 12:00 モップ2回交換
6.水洗 12:00 - 12:30
7.主鏡を10mハッチ下まで移動 12:30 - ?
カセグレンプラグに延長ホース取り付け
8.エタノール流し ? - 13:25 45.6L
9.N2乾燥 13:25 - ?
10.養生取り外し
カセグレンプラグのOリングの内側に水がたまっているのを発見,水の除去、アルコール拭き
11.主鏡側面エタノール拭き
終了:15時?
結果
3回目の蒸着でようやくほぼ満足できる蒸着膜を得ることができた。
外周部には強力ライトで照らすと何カ所か拭きむら、重曹の痕跡が見受けられるが、全体的には大きな汚れ、曇りなどは見あたらなかった。作業法の周知徹底、洗浄装置の改良によって次回はさらに高品質な蒸着膜ができる手応たえがあった。
蒸着が成功した要因
1,重曹の洗い流しを十分に行ったこと。
クリーンルーム用のスポンジモップを使用し、途中で2回交換した。
2,洗剤の使用
- Liqui-Nox 5% 溶液 約20 liter ( 1:100 ph 8.5 www.alconox.com )
- もっと濃い方がよかったかもしれない。第1次洗浄では油が取りきれなかった場所があった。
3,アルコールを流す前に鏡を移動し、水滴が鏡面に垂れるのを防いだ。
4,メガホンの使用
指令がスムーズに伝わった。
5,大タラップの使用
・デッキへの乗り降り、道具の受け渡しが容易となった。
6、鏡面上に人が乗って行う作業をやめた。
7、洗浄用品、用具が適切に十分供給できた。
今後の課題・問題点
0,重曹を使用しないで、洗剤の使用のみでの洗浄方法を目指す。
1,純水製造装置のメンテナンス
- Pre-Filter, イオン交換樹脂がバクテリアの繁殖によって使用不能となった。流量低下および低抵抗値となった。
- どちらも今年2月か3月に交換したものであったが、高温の原水を使用して純水製造を行ったためバクテリアの繁殖を促したのか?
- Pre-Filterは取り外し、イオン交換樹脂は交換した古いものを使用した。
- 次回は蒸着作業の直前に部品交換を行うこと。
2,洗浄装置および純水製造装置の操作、簡単なメンテのできる人を養成する。
- 今回オペレータ作業や、Pre-Filter, イオン交換樹脂の交換、塩酸溶液ポンプのエア噛み処理、塩酸ノズル配管の洗浄、純水製造などかなりな部分を石川さん、河辺さんの手を借りた。
- 天文台で複数人、洗浄装置、洗浄作業に精通した人員が必要。
3,リハーサルの必要性
・今回のように初心者が多いときには、実作業に即したリハーサルが必要。
4,作業上の注意点
鏡面より下側の養生シートを拭いてしまったため、養生シートに残っていた重曹を鏡面にまき散らしてしまった。そのふき取りが完全でなかったので、拭きむらが残ってしまった。
隣り合ったモップ同士は主鏡直径方向でオーバーラップしており、互いの円周向の間隔は10mmである。(規定通りベムコットンを厚さ5mmできっちり巻いた場合)今回は巻きがゆるいものがあったため、隣同士で干渉を起こし膜面にぴったりモップが接触せず、外周部でアルミ膜の溶け方が悪いところがあった。
5,排気ファンを有効とさせる。
6、洗浄装置の機能追加
洗浄作業をより効率化するため来年度に以下の機能追加を予定している。
6-1,洗剤溶液を旋回アームノズルより供給するための配管、タンクの設置
原水配管と共通化 あるいは 専用配管新設
6-2,乾燥用N2ガス専用配管ノズルの設置
6-3,将来の配管増設に対応できるよう予備配管の設置(ロータリージョイント)
6-4,純水、原水ノズルからの水滴落下防止トラフの設置(手動)
塩酸用ノズル・配管系統の処理
1,塩酸タンクを2回純水で満たしリンスし、リトマス試験紙でph7 となったことを確認。(純水タンクよりポンプ塩酸タンクに注入すると、途中の配管に溜まっている塩酸が混入し、なかなかph値が下がらないので上部の注入口より純水を入れるとよい。)
2,ノズルより30分間純水を散布し、アーム配管系統ph7 となったことを確認。
3,ノズルを取り外し、超音波洗浄
4,ノズルは乾燥し、格納 (場所:純水タンク右横棚、新品の予備ノズルと共に保管)
5,ノズルを取り外したアームに蓋を取り付ける。(今は蓋が間に合わないのでビニールテープを巻いている。)
ロータリージョイントは改修に備えて取り外し、純水製造装置横にプチプチ巻きで置いた。