3.現在(まで)の作業内容:
3−1.主鏡のアルミニウム・コーティングの実用化
- 主鏡のコーティングを山頂で2度実施(1998年11月,1999年8月)
- 山頂でのテストは(97年)から
- 再蒸着に必要な作業期間は,主鏡を望遠鏡から外す作業の開始から戻すまでに2週間.このうち,事前の全数蒸発テストおよび解体と並行して行う準備を別にすると,主鏡検査と洗浄で2ー3日,蒸発に1日.主鏡検査が無ければ,剥離洗浄にまる1日.
3−2.可視ナスミス副鏡のアルミニウム・コーティング,
および赤外副鏡の銀コーティングを三鷹で実施した.
3−3.赤外副鏡・第3鏡用銀コーティングを山頂で
実現するためのテスト進行中(山頂・三鷹).
- クロムや銀の蒸発のために,アルミニウムより高温にしなければならないので,
給電ケーブル,フィラメント,フィラメントカセット,
電極など別仕立てにした.
- 山頂第1回目 99年11月末-12月初め クロム・銀の蒸発できた,まだ膜厚不足
- 山頂第2回目 00年1月末 被蒸着面をフィラメントに接近させるためにかさ上げ
- 三鷹で 00年1月下旬 フィラメントへの蒸発材料の増量
3−4.主鏡コーティング用のフィラメントの試作・製作.詳細は付録説明6.
- アルミニウムと銀との蒸発の性質の違い ボタ落ち問題
*1999年12月と2000年1月のマウナケアでのクロム・銀蒸発実験
反射率は良い.スコッチテープテスト不合格.膜厚測定をメーカーに依頼した.速報データによるとクロム+銀の合計で1300
-1500オングストローム.シミュレーション計算と三鷹での基礎実験から
推定される反射性能および耐久性において,当面の目標としていた,
銀の膜厚1000オングストロームが確保できているかもしれない.
マウナケアではサンプル鏡の位置をフィラメントに近づけることで
膜厚向上を計ったが,三鷹ではフィラメントの銀の増量について
見通しを得た.実際の副鏡・第3鏡のハンドリングを考えると,
フィラメントの変更で対処できるならそれで進めたい.
増量フィラメントを使用したマウナケア(大型真空蒸着装置)
での確認実験が必要.
銀コーティングがスコッチテープ・テストに不合格であるとしても,
実用的には1年にわたって劣化がアルミより顕著にならず,
ドライアイス・クリーニングに耐えられれば良いのではなかろうか.
2月15日に主鏡外縁部に銀サンプルを設置した.
そのモニターをこれから継続して行う.
- 山頂における銀蒸着の基礎実験(99年11-12月,00年1月にも2回)
- 99/1/11-2/1(三鷹) 中型蒸着装置で銀(クロム下地)の実験・作業
- ヒロへの小型真空蒸着装置の導入(00年4月より)