Date: Thu, 4 Feb 1999

Subject: CO2 Cleaning on Ag mirror

 

1998.1.29蒸着のCr+Ag膜面へのドライアイス・クリーニングの結果報告

99.2.4 鳥居泰男

マウナケアのシンダーによる汚しとドライアイスによるクリーニングを24回繰り返した。測定にはスキャタロメータを使用した。

測定点:10点、スキャタロメータヘッドを鏡面に接触させて測定

測定日時: 99.2.1−2.3

条件:汚し約5分、クリーニング20秒、ノズルの天頂角60°距離30cm、鏡は水平、気温10−15℃、湿度約20%

測定鏡

(0,0)前方散乱強度

(50,180)後方散乱強度

反射率(%)

 

表面粗さ(Ang)

 

繰り返し回数

平均

標準偏差

平均

標準偏差

平均

標準偏差

平均

標準偏差

0

4.57E-04

8.29E-05

1.24E-04

3.27E-05

97.3

0.9

15.6

1.5

1

4.63E-04

1.22E-04

9.49E-05

2.41E-05

97.4

0.1

16.6

2.6

16

4.53E-04

1.26E-04

9.24E-05

9.83E-06

97

0

16.6

3.4

24

5.46E-04

1.63E-04

1.21E-04

4.72E-05

96.9

0.1

18.3

4.1

基準鏡

0

3.09E-04

1.28E-04

1.24E-04

2.07E-05

84.9

0.4

12.9

2.9

16

2.90E-04

1.11E-04

1.13E-04

1.10E-05

85.1

0.3

12.5

2.8

24

2.82E-04

1.52E-04

1.13E-04

1.71E-05

84.8

0.5

12.2

3.6

測定の結果:散乱、反射率、表面粗さ共変化が無かった。

しかし10回目ぐらいから小さな傷が数個所ほどハッキリ目視できるように成り、16回目ぐらいから1.3X0.4mm程度に成長していた。最後の24回目では同じ大きさであった。

原因はまだはっきりしません。顕微鏡で見ると、弱い銀の部分がとれているように見えます。クロームまでは行ってないようです。写真を撮りましたが写真では分かり難いです。多分銀の弱い所がドライアイスで剥ぎ取られたと思えます。傷の方向がすべてそろってるからです。

 

ドライアイス・クリーニングを繰り返した例:(アルミ面)

赤外シミュレータの表面粗さは蒸着したてのとき10ang.ぐらいで、クリーニングを繰り返し次の蒸着直前で230ang.ぐらいになっていました。クリーニングによる改善効果は一番良いときで10ang.ぐらいでした。