- 300B + Y47 フィルターなど、観測波長域 [4700-9400A] の中央と grism の直進波長 [5500A] が大きくずれた組み合わせを使うと、あらかじめスリット位置を視野に対してオフセットさえておかないと、一部のスペクトルが CCD 上に結像しなくなってしまう。これを体感的に理解する。
- CCD gap の存在、方向を理解する。
- 本番のマスクデザインがスムーズにできるように、予習することができる。
FOCAS で Pre-image をとったらこういう感じになるはず、というイメージで、画像をあらかじめ加工して下さい。ただし、画像サイズは問いません。pixel scale だけあわせてください。また、画像は反転させてください。(マスクデザインは、FOCAS のCCD coordinate で行います。)
- 観測予定視野の FITS 画像を用意する。
- DSS, HST, Suprime-cam 何でも良い。開発は DSS を用いている。
- 画像は FOCAS の視野にあわせて 6arcmin fai 以上あることが望ましい。これより小さくてもデザインはできるが、全体像が把握できない。
- 画像を、FOCAS chip scale (0.1038 arcsec/pix) にあわせて拡大する。
- 例えば、iraf の magnify command を使う。
- 画像を、FOCAS 画像に合わせて鏡像反転させる。以下の操作は、いずれも同じ結果となるはずである。
- PA=0 において、East UP, North Left とする。
- (X0, Y0) -> (X1, Y1) の反転において、X1 = -Y0, Y1=-X0 とする。
- IDL の rotation command の direction "6" を使う。
- IDL の場合は、IDLDE (FOCASred package が設定してあると仮定する)を立ち上げ、最下部の command line から
read_fits, image, header <return> -> original file 名前を dialog から選ぶ
image2=rotate(image,6) <return>
write_fits, image2, header <return> -> rotated file 名前を dialog に書く
- PA = 0 以外の画像を使う際には、あらかじめ対応して画像を回転させてください。
- 通常と同様に MDP を立ち上げる。
- IDLDE のコマンドラインより、wmdp3 <return>
- 通常と同様に、FITS file を読み込む。
- [FILE]-[Read FITS]
- MDP file は、ダミーを使う。
- [FILE]-[Read MDP] で、ファイル名を指定せずにキャンセルを押す。ダミースリットが一つだけ登録されるが、以下の操作では無視する。
- Grism を選択する。
- [Option]-[Select Grism]
- Pixel scale を設定する。
- FOCAS 画像だときちんと設定されるが、他の画像を magnify などすると正しく自動で入力されない。
- [WCS]-[Set FOV Center] を選択し、最後の arcsec/pix に 0.1038 を入力する。
- FOV circle size を設定する。
- これも pixel scale と連動して計算するので、r (arcmin) = 3.0 と入力する。
- [Redraw], [Draw Slit], [Auto Intensity Scale] ボタン等を押して、画像を表示する。
- Y 方向に縦長の長方形が表示される。これが、CCD ギャップ
- 丸い円が表示される。これが、マスクデザイン可能範囲=撮像範囲。
- 円を囲むような大きな正方形が表示される。これが、CCD の結像範囲。
- [Add Slit by Click] ボタンを使ってスリットを置いてみる。
- 詳細は、MDP マニュアルを参照。
- スリット位置が、丸い円内に来るようにする。
- 必要なスペクトルの波長域が、大きな四角い枠内に来るようにする。
- 画面下が RED, 上が BLUE
- FOV 中心座標等を変える、もともとの FITS 画像をまわしてみる、などの試行錯誤を行って、適当な pre-image の PA, 視野中心 (RA, DEC) を求めてください。
- 重要:視野中央座標を求める際には、画像の magnify, 回転などをすると MDP 内部で WCS が正しく扱えなくなるので、[WCS]-[Set FOV Center] や [WCS]-[Show WCS Info] は正しい値を示さないので、ご注意下さい。