すばるのFITSヘッダールールについて
FITS Header for Subaru Telescope
ver. 1.7.2 (May 3, 2017)
Index
1.FITSヘッダールール
1.FITS Header Rules
2.基本ヘッダー辞書
2.Basic FITS Header Dictionary for Subaru Telescope
2.1.基本ヘッダー辞書各項目の説明
2.1.Items for the Basic FITS Header Dictionary
2.2.すばる基本ヘッダー辞書テーブル
2.2.Basic FITS Header Dictionary
3.装置固有ヘッダー辞書
3.Observing Instrument Dependent FITS Header Dictionary
4.キュー観測に伴うヘッダキーワード
4.Header Keywords associated with queue-mode observation
5.略号表
5.Abbreviation Table
1.FITSヘッダールール
すばるの観測装置で取得されたデータは、全て観測装置からFITS形式で出力される。
これらのFITSデータはハワイ島ヒロの山麓施設(ハワイ観測所)でアーカイブされ、公開される。
アーカイブの検索項目は、基本的に全てFITSヘッダーに含まれていなければならない。
また、いくつもの観測装置のデータを一括して検索できるようにするためにも、
FITSキーワードは可能な限り観測装置間で共通化すべきである。
データ解析に関しては、解析に必要なパラメータはFITSヘッダーから抽出される場合が多い。
解析処理ソフトウェアの共通化による開発作業の省力化を図るためにもFITSキーワードの共通化が望まれる。
そこで、すばるでは以下のFITSヘッダールールを定める。
- 基本的にFITSのルール(NOST Standard)に従う。
- ヘッダー辞書(2章参照)で定義されたキーワードを、定義した意味以外では使用しない。
また、ヘッダー辞書内でCommonと分類されたキーワードは必ず使用しなければならない。
Why the keywords are essential for Subaru FITS data ?
- 観測装置固有ヘッダー一覧は共通ヘッダーキーワードと同様に観測装置グループが辞書を作成し、
公開しなければならない(3章参照)。
装置固有辞書は装置グループ内の決定により改訂を行なって良いが、辞書の改訂、および、
改訂履歴をWebで公表すること。アスキーテキストファイルを
ハワイ観測所担当者 (
)に
送付することでハワイ観測所が公表を行う。
- 当該観測装置からデータが生産されはじめて以降は、過去に使用したキーワードは別の意味で使用しないこと。
また、単位も変更しないこと。
- 当該観測装置からデータが生産されはじめて以降は、辞書の改訂を行なったら、
ヘッダーキーワード INS-VER の記述に何らかの変更を加えること。
- 観測装置固有キーワードは、以下に例示するような'COMMENT'で始まる行を挿入することによりブロック化する。
- COMMENT Subaru Device Dependent Header Block for FOCAS
- 観測装置固有のヘッダーは、頭2文字を装置IDとして与え、残り6文字を装置開発者が自由に使用する。
その際可能な限り略号表に従った記述を行う。装置IDは 'A_', 'B_', 'C_'のような形式とし、重複は許されない。
現在、'A_':AO36, 'B_':FMOS,
'C_':CIAO, 'D_':AO188, 'F_':FOCAS, 'H_':HDS, 'I_':IRCS, 'K_': MOIRCS,
'L_':LGS, 'M_':MIRTOS, 'O_':OHS, 'P_':HiCIAO, 'Q_':COMICS, 'S_':Suprime-Cam,
'T_':Hyper Suprime-Cam, 'V_':VTOS, 'W_':PFS, 'X_': SCExAO, 'Y_': CHARIS, 'Z_':IRD, '3_':Kyoto3D-II が予約されている。(5章参照)
- キーワード作成時の略号の組み合わせ順序は、キーワードのカテゴリーを参照して
- Image,Instrument,Telescope / Time / Environment / Statistics,Unit / Action
とする(5章参照、各略号はさらに短縮可能)。
例えば、露出開始時のスリットポジションアングルは、スリット:SLT、ポジションアングル:P/PA、
露出開始時:STRを組み合わせて作成するが、その順序は、SLT(Category=Instrument), P/PA(Statistics/Unit),
STR(Action)となり、キーワードはSLT_PSTRとなる。
- 撮像観測の場合はWCSを記述する。
- ExtentionについてはASCII Table Extension、BINARY Table Extension、Image Extensionのみが使用可能である。
- 天体名は可能な限りIAU表記に従う。
- 値の単位は辞書の記述に従うが、基本的にSI単位系とする。
- インラインコメントにはキーワードの意味、及び、値の単位が明示される。
- ピクセルの座標値はピクセル中央を基準とし、ピクセル番号は1から始まる。
- キーワード OBS-MOD について
当該データがどのようなタイプのデータかが一目でわかるように統一する。
最初の 4 文字は以下のどれかを使用することとする。なお、文字は全て大文字とする。
- 撮像関連:IMAG
- 分光関連:SPEC
- 偏光撮像:IPOL
- 偏光分光:SPOL
'_' (アンダースコア) を 1文字つけて、それ以降は何を書いても良いこととするが、
その文字列についても、同じものを時期によって違う意味で使ってはならない。
観測制御と解析の連携をとるために、OBS-MOD は山頂観測制御システムから
ステータスとして取得することを推奨する (抽象化コマンドを用いた観測時)。
- キーワード DATA-TYP について
現在は以下のキーワードが指定可能である。これ以外のものを使用する必要が
生じた場合、登録を行ってから使用することとする。
- OBJECT
- FLAT
- DOMEFLAT
- DOMEFLAT_ON
- DOMEFLAT_OFF
- SKYFLAT
- DARK
- COMPARISON
- BIAS
- STANDARD
- STANDARD_STAR
- TEST
- フィルターやグリズムについて
フィルターやグリズムを複数持っている観測装置の場合、
それぞれの一意性を保証できるように名前付け、あるいは、番号付けすること。
新しいものに置き換わった場合は、名前を必ず変更すること。
2.基本ヘッダー辞書
2.1.基本ヘッダー辞書各項目の説明
観測装置間で共通化できるキーワードは、基本ヘッダー辞書に記述される。基本ヘッダー辞書内の各項目の意味は以下の通りである。
- Header Key Word:FITSヘッダーキーワード
- Revised:最終更新日付
- Importance:重要度。以下の値をもつ
- Common:必須キーワード
- Imaging:撮像データに必須なキーワード
- Spectroscopy:分光観測データに必須なキーワード
- Polarimetry:偏光観測データに必須なキーワード
- Object:天体フレームに必須なキーワード
- Optional:キーワードの定義のみで、必須ではない。
ただし、装置固有キーワードの中で基本ヘッダー(Optional)と同じ意味のものがある場合には、基本ヘッダーを優先する。
- Alias:ツールキットのStatus Distribution Serviceを利用してOBS (Gen2) からステータスを取得する場合の指定キーワード。
ここにToolkitと書かれていれば、(FITS化)Toolkitにより入力が可能である。
また、Next Toolkitとなっていれば、次バージョンのツールキットで計算ツールを提供予定。
全観測装置に共通なものは、"FITS.SBR.????"の形式をとり、観測装置ごとに参照ステータスが変化するものは、
"FITS.#Inst.????"の形式をとる。ただし、'#Inst'は観測装置の3文字略称で、以下の通り。
Facility Instruments
- AO188 -> AON
- COMICS -> COM
- FOCAS -> FCS
- FMOS -> FMS
- HDS -> HDS
- HSC -> HSC
- IRCS -> IRC
- MOIRCS -> MCS
- Suprime-Cam -> SUP
Visiting Instrument
- HiCIAO -> HIC
- Kyoto3D-II -> K3D
Decommissioned Instruments
- AO36 -> AOS
- CIAO -> CIA
- OHS -> OHS
Test Instruments
- Value Format:キーワード値の記述形式
- Type:キーワード値のデータ型
- Unit:キーワード値の単位。キーワード値の単位は基本的にこの単位で記述するものとする。
ただし、どうしても問題が生じる場合には、別途すばる側担当者と相談のこと。
- Recommend:すばるが推奨する規定値。矛盾が生じない限りこの値を使用する。SIMPLE, OBSERVATについては必ずこの値を使用する。
- Comment:FITSヘッダー内に記述されるインラインコメントの内容。値に単位が必要な場合は、単位の記述もおこなう。
- Description:キーワードの意味定義
2.2.すばる基本ヘッダー辞書
2.2. Basic FITS Header Dictionary for Subaru Telescope
3.装置固有ヘッダー辞書
3. Observing Instrument Dependent FITS Header Dictionary
観測装置固有なキーワードは、観測装置毎のヘッダー辞書を作って公開する。ヘッダー辞書内の項目は、基本ヘッダー辞書に準ずる。
Facility Instruments
Visiting Instrument
Decommissioned Instruments
Test Instruments
4.キュー観測に伴うヘッダキーワード
(準備中)
5.略号表(1998/09/09)
General enquiries may be directed to
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