1. saoimage ds9 について FITS 画像を表示するためのブラウザとして ds9 を使用してみよう。 コマンドラインから >ds9 test.fits & と入力すれば、ウィンドウが立ち上がり、FITS image が表示される。 まず、画像を見やすくするために、例えば Scale ' zscale とするとよい。 その他の機能として、 Zoom ' in,out で画像の拡大、縮小 画像上でマウスの真ん中ボタンをクリックすると、クリックした場所が真ん中にくる 画像上でマウスの右ボタンでドラッグすると、画像コントラストの微調整ができる  他にもいろいろな機能があるので試してみよう。 2. iraf について a. IRAF の設定について IRAF を初めて使う人、IRAF を xgterm で設定していない人は、以下を参考に IRAF の設定を行ってください。 まず、IRAF 用のディレクトリを作り、xgterm を立ち上げます。 > cd > mkdir iraf > xgterm & 立ち上げたxgterm 上で mkiraf を行います。 > cd ~/iraf > mkiraf 最初に聞かれる Terminal Types の選択で、xgterm を選択してください。 設定が終わると、login.cl ファイルと、uparm/ ディレクトリができる。 IRAF を立ち上げるときは、必ず xgterm 上で行ってください。 > cd ~/iraf > cl とするとIRAF が立ち上がります。 b. imstat FITS 画像の統計量を調べるのに、IRAF の imstat コマンドがある。 最も基本的な使い方として、 cl> imstat test.fits と入力すると、image, npix, mean, stddev, min, max を求めてくれる。ここで、 image : 画像ファイル名 npix : 統計量を求めるのに使用した画像ピクセル数 mean : カウントの平均値 midpt : カウントのメディアン値 mode : カウントの最頻値(モード) stddev : カウントの標準偏差 min : カウントの最小値 max : カウントの最大値 である。他の統計値を求めるには、 cl> imstat test.fits fields="image,mean,midpt,mode,stddev" などとする。また、 cl> imstat test.fits[1:1000,1:1000] このようにすれば、test.fits の 1≦x≦1000, 1≦y≦1000 の領域について求めることができる。 より詳しい使い方については、 cl> help imstat とするとヘルプを読むことができる。 c. imexam について  画像に写っている天体について調べるのに、IRAF の imexam コマンドがある。 今回は、指定した画像ファイルに写っている星の Seeing 値を調べるのに使う。 まず、コマンドラインから、ds9 を立ち上げておき、 cl> display test.fits 1 として、画像を表示させておく。次に、 cl> imexam test.fits とすると、カーソルが ds9 の画像上に移動するので、PSF を測定したい星に合わせる。 その状態で、j, k を押すと、 j : column 方向 (x方向) に gaussian fit したときの FWHM を表示 k : row 方向 (y 方向) に gaussian fit したときの FWHM を表示 がされる。 Suprime-Cam 画像では、1 pixel = 0.202 arcsec なので、FWHM が 5 (pixel )だったら、Seeing 値は 5 x 0.202 = 1.01 arcsec である。 FWHM を調べるには、a, r などを使う方法もある。 また、標準星解析を行う際、標準星フレームに写っている星の測光を行う例を示す。 コマンドラインから ds9 を立ち上げておき、 cl> display test.fits 1 として、画像を表示させておく。次に、 cl> imexam test.fits とすると、カーソルが ds9 の画像上に移動するので、測光を行いたい標準星に合わせる。その状態で a を押すと、例えば以下の出力が得られる。 # COL LINE COORDINATES # R MAG FLUX SKY PEAK E PA BETA ENCLOSED MOFFAT DIRECT 2546.06 1256.51 2546.06 1256.51 29.70 15.87 4480. -0.4384 22.79 0.66 16 1.88 10.13 10.22 10.00 ここで、FLUX を読めば、この星の測光結果が分かる。この場合、4480 ADU である。 その他、詳しい使い方については、 cl> help imexam とすれば、ヘルプを読むことができる。