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HSC 開発責任者が日本天文学会林忠四郎賞を受賞

2016年4月20日 (ハワイ現地時間)
最終更新日:2023年9月21日

すばる望遠鏡に搭載さている超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam (ハイパー・シュプリーム・カム, HSC) の開発責任者である宮崎聡さん (国立天文台先端技術センター准教授) が、2015年度日本天文学会林忠四郎賞を受賞しました。受賞対象となった研究は、「すばる望遠鏡用広視野カメラの開発と、それを用いた観測的宇宙論の推進」です。

宮崎さんは自らが開発したカメラを用いて、弱重力レンズ効果からダークマター分布を求める観測研究を長年にわたり行ってきました。2015年には HSC の観測で得られた最初のダークマター地図を発表しました (2015年7月1日 すばる望遠鏡プレスリリース)。また、すばる望遠鏡第1期装置である主焦点カメラ Suprime-Cam (シュプリーム・カム) の開発でも重要な役割を果たし、科学成果を上げています。

宮崎さんは現在も HSC を用いたすばる望遠鏡の「戦略枠プログラム」を率いており、5年間で 300 夜を投じる大規模な観測プログラムを推進しています。最終的には観測天域を 1000 平方度以上に広げ、ダークマターの分布とその時間変化から、宇宙膨張の歴史を精密に計測することを目指しています。

宮崎さんは今回の林忠四郎賞受賞について「受賞理由からも分かるように、私の開発・研究は個人でできるものではなく、一緒に仕事をしてきた仲間との共同開発・研究です。皆と喜びを分かち合いたいと思っています」と語っています。

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写真: 授賞式にて賞状を受け取った宮崎聡さん。(クレジット:国立天文台)

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