トピックス

田村元秀教授が第 54 回東レ科学技術賞を受賞

2014年3月24日

  国立天文台・東京大学大学院理学系研究科教授の田村元秀さんが、「太陽系外惑星とその形成現場のすばる望遠鏡による研究」の業績により、第 54 回東レ科学技術賞を受賞されました。田村さんは、すばる望遠鏡を用いて太陽系外惑星と円盤を探査する国際共同プロジェクト SEEDS (シーズ) の研究代表者を務めています。SEEDS では、すばる望遠鏡のために新開発された近赤外線高コントラストカメラ HiCIAO (ハイチャオ) と補償光学装置 (AO188) との組み合わせにより、太陽系外惑星そのものや星の周囲にある円盤の直接撮像が2009年から系統的に行われており、数々の成果を挙げています。


  受賞した田村さんは、以下のようにコメントしています。

「このたびは東レ科学技術賞を賜り、誠に光栄に存じます。本研究は、国立天文台のすばる望遠鏡や観測装置開発に携わってこられた方々をはじめとして、多くの共同研究者との成果でもあります。お世話になった方々に、この場をお借りして御礼申し上げます。
  太陽系には8個しかない惑星ですが、すでに 1000 個を超える系外惑星が発見され、系外惑星の研究は最もホットで世界的競争の激しい分野のひとつとなっています。系外惑星の観測はこれまで間接的な手法がメインでした。しかし、間接法は惑星の統計的性質は得やすいものの、その次のステップである惑星の特徴づけは苦手です。次の重要なステップは直接観測にありました。
  私たちは、このためにすばる望遠鏡用に新観測装置 HiCIAO を開発し、2009年から直接観測による大規模な惑星探査プロジェクトを進めて来ました。その結果、太陽に似た恒星をめぐる巨大惑星を撮影することに成功しました。いわば「第二の木星」の撮影に成功したとも言えます。さらに、同装置を用いて原始惑星系円盤をこれまでになく詳細に観測し、惑星存在を示唆する空隙や渦巻腕など多様な構造が存在することを発見しました。これらの観測から、太陽系にはない新しいタイプの惑星の存在が明らかとなり、従来の太陽系形成を手本に構築されてきた惑星形成理論に大きな課題を投げかけています。
  本観測の鍵はコントラストの問題にありました。惑星の近くには明るい恒星があるため、いわば、灯台の明るいサーチライトの横で光る蛍を捉えるようなものです。コントラストを向上させるために、コロナグラフなどさまざまな工夫を凝らしました。
  次のステップは、いうまでもなく第二の地球への挑戦です。そのための新しい高精度赤外視線装置開発 IRD も進んでおり、それにより発見される地球型惑星は、TMT 望遠鏡による直接撮像の絶好の対象となります。本受賞をさらなる励みとして、今後も系外惑星の研究を精進して行く所存です。」


  なお、2011年には国立天文台教授の家正則さんが、すばる望遠鏡での研究・開発に基づいた「初期宇宙史の観測的研究とレーザーガイド星補償光学装置の開発」の業績により、第 51 回東レ科学技術賞を受賞しています。


figure

写真:2014年3月18日に行われた贈呈式に出席した田村元秀さん。(クレジット:公益財団法人 東レ科学振興会)



関連リンク:





画像等のご利用について

ドキュメント内遷移