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【速報】超広視野主焦点カメラ HSC が捉えたアイソン彗星の長い尾

2013年11月17日

  すばる望遠鏡に新しく搭載された超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam (ハイパー・シュプリーム・カム, HSC) が、太陽に接近しつつあるアイソン彗星 (C/2012 S1) の姿を捉えました。尾が1度角以上 (満月の見かけの直径の2倍以上) も延びている様子を鮮明に写し出しています。


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図1: HSC で撮影されたアイソン彗星 (C/2012 S1)。ハワイ現地時間2013年11月5日の明け方 (日本時間11月5日23時~24時頃) 撮影、観測波長は 760 ナノメートル (i バンド)。画像の上が北、左が東で、視野の直径が 1.5 度角。主にプレス向けの高解像度画像はこちらに掲載されています。(クレジット:HSC Project / 国立天文台)


  観測はハワイ現地時間2013年11月5日の明け方 (日本時間11月5日23時~24時頃) に、HSC の性能試験観測の一環として行われました。アイソン彗星の高度が 30 度以下と低空で、厳しい条件での撮影でしたが、すばる望遠鏡と HSC との組み合わせで達成される広い視野・シャープな星像・高い集光力により、太陽と反対の方向に1度角以上も延びる尾を淡い部分まではっきりと捉える事に成功しました。

  すばる望遠鏡に搭載された HSC は、満月9個分の広さの天域を一度に撮影できる世界最高性能の超広視野カメラで、国立天文台が中心となり、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構など国内外の研究機関とともに開発されました。HSC 開発責任者で今回の性能試験観測を指揮した宮崎聡さん (国立天文台准教授) は、「恒星とは違った動きをする天体の追尾の性能試験を行うために、今回アイソン彗星を観測しました。私たちが開発した HSC の大変広い視野を活かし、彗星核の後ろに延びる尾をきれいに写し出す事ができて感激しています。HSC の優れた性能をお伝えできるような画像になりました」とコメントしています。


動画1: HSC 開発責任者で今回の性能試験観測を指揮した宮崎聡さん (国立天文台准教授) のインタビュー。(クレジット:国立天文台)


  観測当時、地球から約 1.7 億キロメートル、太陽から 1.3 億キロメートルの距離にいたアイソン彗星は、日本時間11月29日に、太陽に最接近します。彗星研究の第一人者である渡部潤一さん (国立天文台副台長) は、今回新たに得られたアイソン彗星の画像について「すばる望遠鏡と HSC の威力を感じました。アイソン彗星の尾が2筋に見えていますが、これはチリの尾とガスの尾が分かれて見えているものかもしれません。今回すばる望遠鏡が捉えたような姿が、今後、双眼鏡や肉眼でも見える可能性が十分にあると思います」とコメントしています。


動画2: 彗星研究の第一人者である渡部潤一さん (国立天文台副台長) のインタビュー。(クレジット:国立天文台)


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