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世界に広がる「一家に1枚 天体望遠鏡400年」ポスター・アラビア語版

2011年4月19日

 毎年行われている文部科学省・科学技術週間、今年は4月18日〜24日です。科学技術週間にあわせて、「一家に1枚」ポスターが全国の科学館・博物館を通じて配布されます。2009年は、イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイによる望遠鏡での宇宙の初観測から400年を記念した「世界天文年」で、この年の科学技術週間には「一家に1枚 天体望遠鏡400年」ポスターが作成されました (すばる望遠鏡 2009年4月14日トピックス )。2009年4月13日〜19日に、全国の配布協力科学館・博物館から約15万部が、さらに小・中・高等学校等には、科学技術振興機構 (JST) 発行「サイエンスウインドウ」誌 2009年4月号と共に、約8万部が配布されました。

 このポスターは「ガリレオからすばる望遠鏡、そして未来へ」をテーマとし、天体望遠鏡の進化とともに、どのような宇宙が見えてきたのかを、将来計画や未解決の宇宙の謎なども含めて紹介しています。ポスターの詳細な解説は、文部科学省のウェブサイト、「解説 一家に1枚 天体望遠鏡400年」をご覧下さい。

 また、国立天文台ハワイ観測所の臼田-佐藤功美子さんがリーダーとなり、「一家に1枚 天体望遠鏡400年」制作委員会と国立天文台ハワイ観測所で英語版を作成しました (すばる望遠鏡 2010年1月14日トピックス)。地元ハワイの学校やイベントで配布されたほか、世界中の様々な地域にある天文・教育機関に送られ、すでに1000部以上が活用されています。このポスターについては、世界天文年国際ページでも紹介されています。

 「一家に1枚 天体望遠鏡400年」ポスターは、さらなる広がりを見せます。英語版を目にしたアルジェリア・シリウス天文協会の Jamal Mimouni さん (コンスタンティーヌ大学教授) からの「科学教育に有用で見た目にも美しいこのポスターを、アルジェリアでの教育に役立てたい」という連絡を受け、国立天文台の臼田-佐藤さんと縣秀彦さんが画像等の情報を、(株) アストロアーツの川口雅也さんがポスターのデザインを提供し、シリウス天文協会が翻訳と印刷を行うという、日本・アルジェリアの共同作業でアラビア語版を作成しました。このポスターは、2010年にアルジェリア・コンスタンティーヌで開催されたイベント "The Ninth National Festival in Popular Astronomy" で配布されたほか、アルジェリア国内の学校や教育機関に届けられています。

 「日本の科学技術週間のために作成したポスターが、世界の様々な地域の方に読んでいただけるようになっています。今回アラビア語版ができたことで、アルジェリアをはじめアラブの国々で、日本のポスターを読んでもらえると思うと大変嬉しいです。これを機に、科学教育の輪がさらに広がることを願っています」と臼田-佐藤さんは語っています。アラビア語版「一家に1枚 天体望遠鏡400年」ポスターはシリウス天文協会のウェブサイト、"The 400 Years Poster" のページから誰でも自由にダウンロードできます。言葉や文化が違っても、夜空を見上げ宇宙をもっと知りたいと思う探究心は万国共通です。このポスターを片手に、異国の地から望む宇宙に思いを巡らせてみませんか。



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アラビア語版「一家に1枚 天体望遠鏡400年」ポスター

 



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