第27回大型光学赤外線望遠鏡専門委員会議事録(案)
日時 : 平成10年11月18日 11:00-17:00
場所 : 国立天文台会議室
出席者: 安藤裕康、家 正則委員長、大谷 浩副委員長、中井直正、
舞原俊憲、山田 亨、梶野敏貴、高見英樹、田中培生各委員
海部宣男ハワイ観測所長、唐牛 宏すばる室長、小平桂一台長、
(部分参加)柏川伸成、吉田道利、山下卓也、片座、近田氏
欠席 : 林 正彦、定金晃三委員
1)議事録確認
・第26回大型光学赤外線望遠鏡専門委員会議事録案(資料27-1)の内容を確認し
了承した。
報告事項:
2)すばる望遠鏡建設進捗状況報告
・海部所長よりすばるプロジェクトの進捗状況と今後の見通しについて、
主鏡が山頂に到着し蒸着が11/8に完了したこと、主鏡セルへのアクチュ
エータ組み込み調整後主鏡取り付け予定であること、試験観測装置の内
CISCO はヒロでの試験進展中、SuprimeCAM は動作試験後11月下旬にヒ
ロへ発送予定、VTOS も11月下旬発送予定であること、1月にはテストを
開始し、1月末のファーストライト発表に備える準備が進められている
ことなどが、口頭にて報告された。
・VTOSの状況について馬場氏より(資料27-2)が提出された旨、家委員
長から報告があった。
・国内解析処理施設の方針について、(資料27-3)に基づき、近田計算セン
ター長より三鷹の計算機更新(2000年)に合わせた計画の策定を急ぐ必要があり、
専門委員会でも検討して欲しいとの申し出があり、午後検討することとした。
3)データ解析ソフト開発状況のデモンストレーション(資料27-4)
ソフトウェア開発室(通称すか部屋)において、八木氏ほかによるすばる
観測ソフト(SOSS)、アーカイブソフト(STARS)、分散解析ソフト(DASH)
の概要と開発状況について説明と実演があった。
DASH はヒロでほぼ完成。(Prototype-3)、また、STARS(archive
system)も試験的使用。(CISCO, MIRTOS, Kiso-CCD)
Procube の概念について議論。
4)合意書(海部案)について
すでに前回の委員会で基本内容は了解済み。1) 機能観測の時間は装置毎に
実情にあった割り当てを装置側とすばる観測所側で決める、2) 性能試験観測
の時間は約30〜35日程度となる、3) 性能試験観測を、共同利用開始後
にも持ち越せる、などの点を了承して、年内をめどに順次署名することを目標。
これについて、再度海部所長から装置PIにメールを出すこととした。
5)中間赤外高分散エシェル分光器(資料27-5)平原、海老塚
第2期装置として検討中の7−25ミクロンエシェル分光器について説明が
あった。Diffuse星間バンドの分光などでの利用が期待される。現存のCOMICS
に組み込むことはできない。
6)FOCAS試験観測計画のレビュー(資料27-6)柏川、吉田
進捗は自動交換脚の関係で約2ヶ月遅れの見込みだが、ほぼ順調。
99年6月に運送予定との報告があり、引き続き性能試験観測計画の概略の
説明があった。特に以下の2テーマについて詳しい説明があった。
SDF(柏川)---> ディープ(13 nights) とワイド(13 nights)
のサーベイを中心。
AGN(吉田)---> 活動銀河核周辺領域のガスの励起メカニズムの検証を
4mクラス望遠鏡ではできない、弱い輝線の観測で行う。
7)COMICS試験観測計画のレビュー(資料27-7)片坐、宮田
アレイ検出器の入手問題で、全体に6ヶ月程度の遅れが出ている。
標準星システムの確立が大きな課題である。
性能観測計画としては高い解像度を生かしたベガ型星の発見・観測
などの他、ダスト組成の分光的観測、ミラ型星のダスト生成過程の
解明などに迫る。
8)第2期観測装置提案募集について(資料27-8)海部
1月20日締め切りで提案書を募集したい。
提案内容の検討は年度末ごろとし、次期専門委員会の体制が整わない場合は、
今期装置計画小委員会が引継まで責任をもって行うことを了承した。
9)近赤外線カメラの開発について(資料27-9)西村
近赤外線カメラの開発に関して考慮すべき条件について、私案が提示された。
10)Subaru/UKIRt大フォーマット近赤外線カメラ開発協力の可能性について
(資料27-10)関口
UKIRTに協力して4m望遠鏡で近赤外サーベイ観測の時間を確保する可能性に
ついて提案があった。
11)High Time Resolution Photo-polarimeter Studies using Subaru Telescope
(資料27-11)関口
南アフリカ天文台との共同で高速測光器をすばるに搭載する可能性について提案
があった。
12)共同利用体制について
前回の大筋の議論と光赤外ユーザーズミーティングでの議論を確認した。
ハワイ観測所としては、申請書受付やプログラム配置の支援ソフト製作は
視野に入れているが、まだ具体的には取りかかっていない。専門委員会で基本
方針を固める必要がある。
(資料27-12)岡山天体物理観測所共同利用の状況について定金光赤外太陽専門
委員会プログラム小委員長より参考提出があった。
13)解析計算機設備の整備について
近田計算センター長からの問題提起について意見交換した結果、すばる望遠鏡で
取得される大量の貴重なデータの解析を国内でも円滑に行えるようにすることは不
可欠であり、まずは三鷹における解析設備の増強整備を行う必要があることが確認
された。国内データアーカイブシステムの具体的規模についてはすばる望遠鏡関係者や
ユーザーグループとも協議の上、具体案を作成して戴きたいとの要望があった。
関連して拠点大学における環境整備についても善処願いたいとの要望があった。
14)次期専門委員会外部委員候補者について意見交換した。
15)今回27会委員会をもって、今期の専門委員会は最後とすることを確認した。
第2期観測装置計画の審議検討などは、次期委員会体制が固まるまでの間今期委員会
で責任をもって、持ち回り等の方法で適宜行うこととした。
16)今期専門委員会活動の総括については委員長から、報告書案を回覧することとした。
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皆様、本専門委員会の活動を支えて下さりありがとうございます。
とりあえず(!)ご苦労様でした(家 正則)。
以上