第23回大型光学赤外線望遠鏡専門委員会議事録

 

日時 : 平成9年10月31日 10:00ー15:30

場所 : 国立天文台会議室

出席者: 安藤裕康、家 正則、大谷 浩、梶野敏貴、定金晃三、高見英樹、

    田中培生、中井直正、舞原俊憲、山田 亨各委員

    海部宣男ハワイ観測所長、唐牛 宏すばる室長、

    小平桂一台長(午前のみ)

欠席 :林 正彦委員

 

1)議事録確認

・第22回大型光学赤外線望遠鏡専門委員会議事録案(資料23−1)の内容を確認し了承した。

 

報告事項:

2)すばる建設進捗状況報告

・海部ハワイ観測所長より、職員赴任状況、RCUH職員採用状況などハワイ観測所の人員体制(資料23−2)について、および主鏡製作、ファーストライトのスケジュール見通しについて説明があった。

・唐牛室長より、三鷹解析研究棟(資料23−3)の建設開始、ハワイ州観測所勤務手当てに関する人事院勧告の内容(資料23−4)、および平成10年度の概算要求方針(推進経費、設備費、人員要求、ほか)について報告があった。

 

3)関連報告

・家委員長より、日本学術振興会特別研究員のハワイ観測所における研究については採用期間の半分以下という制限を緩和することとなったことが報告された(資料23−5)。 関連して、大学院生のハワイ派遣について文部省と協議が始められていることが報告された。

・海部ハワイ観測所長より、マウナケア所長会議に関連して、IFAの新所長の選任、ハレアカラへの新規望遠鏡不誘致、GEMINI・ケックの状況、レーザーガイド星の解禁方針などについて報告があった。

・同じく海部所長より、日英協力の新MOUを締結したこと、豪州の参加に関する経緯、FMOS計画の具体化方針、ミリ波サブミリ波での協力などについて報告があり、関連して家委員よりMCCDの公開状況について補足報告があった。

・家天文学国際共同観測専門委員会委員長より、第一回委員会が日本学術会議で開催され、活動方針などが検討された旨の報告があった。

 

4)観測計画小委員会報告

・大谷観測計画小委員会委員長より7月に二度開催した観測計画小委員会の報告(資料23ー6)があった。第二期装置計画に関連して赤外カメラの計画検討(世話人佐藤氏)、赤外高分散分光装置の検討(世話人海部委員)、FMOS計画についての検討(世話人唐牛室長)の進行状況について、それぞれ関連委員より補足説明があり、情報交換がなされた。

 

5)ファーストライトシンポ企画案

・シンポ世話人の山田委員より、12/17−19日に開催予定のすばるファーストライトシンポの企画案(資料23ー7)について説明があった。第一期観測装置による試験観測の課題と試験観測実行方針、定常運用期の運用基本方針、第二期観測装置方針の3テーマに焦点を当てたプログラムを策定したいとの具体提案があり、装置グループ以外からの試験観測提案、PI型装置の提案、についても時間を確保することなどの要望が出された。これらの意見と踏まえてシンポのアナウンスを早急に行うことを了承した。

 

6)光赤外ユーザーズミーティング報告

・光赤外ユーザーズミーティングすばるセッション世話人の宮崎氏より、資料23ー8に基づいて報告があった。来年度の開催時期については、すばるの立ち上げ時期を考慮し、各観測所間で春頃に相談して決める方向で調整依頼することにした。

 

7)新光天連発足

・大谷委員より、新しい光天連が会員100名弱で発足し、新運営委員長として大谷委員、運営委員として田村、定金、山田、芝井各氏が選出されたことが報告された。新光天連の活動内容は、(1)共同利用機関と大学とのインターフェースの役を果たすこと、(2)光天連シンポ(2月上旬)の開催、国内天文台長期計画、の3点を重点に進める方針であることが報告された。

 

審議事項:

8)すばるファーストライトと試験観測に向けて(資料23ー9)

・海部所長より、(1)ファーストライト・試験観測に至る検討スケジュール案、(2)観測装置グループへの「試験観測、引き渡し計画書」提出依頼書案、(3)「すばる観測装置合意書」案について、資料に基づき説明提案があった。

・関連して、装置立会試験の審査責任主体をどうすべきかについて意見交換があった。審査項目、試験観測体制と実施法については装置グループからの提案を求めることとした。合意書に盛り込む装置製作者グループの権利と義務、技術試験(機能試験)と性能試験の区別、ソフト整備とマニュアル整備、引きわたしの条件、性能が出ない場合などのペナルティ、成果公表権、など具体的項目について意見交換があった。

・これらの意見交換内容を踏まえて、海部所長より11月中旬に装置グループへの改訂版提案書の提示を行い、12月のファーストライトシンポで議論し、来春から順次合意書を締結する方向で進めることを了承した。

 

9)光赤外長期計画

・安藤委員より、岡山の将来に関する検討WG(大谷委員長)から提出された3案併記の答申を踏まえて、天文台内で再度議論し、一年ほどかけて3案を当事者グループでさらに具体化してもらい、再度検討する方針としたことが報告された。

・また、安藤委員より、国立天文台第二期計画との関連で、天体力学部門を除く位置力学分野と光赤外分野の合流の可能性について、具体的検討が当事者間で始められたことについて報告があった。

・関連して次期専門委員会の再編については、国立天文台内の関連者間で意見調整を進めた上で、合同専門委員会を企画することとした。

 

10)次回専門委員会

・次回専門委員会の日程を平成10年3月9日10時−16時とし、各装置グループから試験観測内容の具体提案を聞くことと、合意書の内容についての検討を中心に開催することを確認した。

                        

      (以上)