第一回「すばる望遠鏡の10年」戦略ワーキンググループ

まとめ(by 海部)

 

日時: 20051227930分~1230

場所: 三鷹大会議室にて

出席: 海部、観山、桜井、唐牛、林正彦、臼田、有本、田村、山田、安藤、坪井、太田 (説明者:高見、宮崎

    ( 印はハワイからTV 参加)

 

1)WGの任務と目標、進め方について

別紙「すばる望遠鏡の10年戦略WGについて」(海部)をもとに確認。

 

2)現状報告と討議

以下の報告があり、関連質疑が行われた。(主な質疑は次項を参照)

○ハワイ観測所における検討の状況(唐牛、報告+質疑)

○光赤外コミュニティにおける検討の状況(有本、報告+質疑)

○主焦点広視野観測装置に関する検討状況(宮崎、報告+質疑)

○すばるAOに関する検討状況(高見、+質疑)

○高コントラスト・赤外広視野観測の検討状況(田村、報告+質疑)

 

3)自由討議:問題点の把握と今後の進め方

 上記報告への質疑も含め、概略以下のような事項が議論・指摘された。

 @“キラーサイエンスアップリケーション”としてのDEにむけた大掛かりな方針が提起されているわけだが、日本で誰がやるのか? アメリカでは物理から宇宙論への予算・人員の大量の流入もある。日本は埋もれてしまうのではないか? WFMOSの装置開発には、参加できないだろう。

 Aすばる搭載を前提とするWFMOSCDR20076月に予定されているというが、すばるには何らかの道義的責任が発生していないか? 2006年夏にGEMINIにすばるのインターフェース条件を伝える際は、国立天文台として状況の明確化のため、何らかのコメントが必要になろう。

 BFMOSWFMOSまで競争相手がないという状況だが、FMOSの状況、すばるに及ぼした(及ぼしつつある)インパクト、サイエンスなどについて、改めて明確にすることが必要ではないか。

 CDE/宇宙論以外にも、天文学には重要テーマがある。たとえば太陽系外惑星は、21世紀の重大テーマになることは必至であり、日本にはその学問的・技術的伝統もある。

 DHyper-SupCamについては望遠鏡構造へのインパクトから、視野を1.5度とするデスコープ案が浮上している。こうした状況も含め、さまざまな角度からのHyper-SupCamのレビューが重要。(2006年後半か?)

 E日本が主体的に何をやるかが大事で、たとえば相当の予算による「赤外広視野カメラ」の案が浮上すれば、かなり広い関心を集めるだろう。

Fこれまでの日本の議論は、装置先行の色が極めて濃い。コミュニティは口をあけて装置を待っているのではなく、日本の科学・開発から発する主体的な議論・検討を急がないと、外国勢にしてやられるだけだろう。

 G「大学のすばる離れ」が指摘されているが、「すばるR&D」がなくなったこと、法人化なども影響しているだろう。大学との関係をよく検討すべき。

 HWFMOS以外のオプションも含めて、コミュニティでのWSを計画している。春の学会で小WS、夏にでも大WS? 本WGからの注文もあり得る。

 

4)アクションアイテム、スケジュール

・次回の具体的検討項目として、とりあえず以下を確認した。

 ○ハワイ観測所における開発の状況。これまでの開発内容、費用内訳などを、年度ごとに整理して示す。(唐牛/ハワイ観測所)

 ○FMOSの状況と見通し、すばる・ハワイ観測所に及ぼしたインパクト(費用・人員を含む)。(臼田/ハワイ観測所)

 ○FMOSによるサイエンスの見通し(太田)

 ○当面する数年間のすばるによるサイエンス成果の予想、獲得目標(山田)

 

・以下の方々に予定を聞き(海部)、次回か次々回に来ていただいて議論する。

1) FMOS, Hyper-Sup-Cam, W-FMOS などによる宇宙論的観測(須藤、杉山)

2) 新・次世代AO, Hi-CIAO などによる太陽系外惑星の観測(井田、中島)

3) Hyper-SupCamWFMOSがすばる望遠鏡に及ぼす構造上・性能上のインパクト、及び関連する事項(伊藤昇) 

 

・第二回および第三回WGは、それぞれ以下のいずれかとする。

2月2日(木)午後3時から  または  23()午前9時半~12時半 

2月23日(木)午前中      または  224日(金)午前中

 

(以上)