すばる望遠鏡について

国立天文台ハワイ観測所の概要

ハワイ観測所の概要

ハワイ観測所は、標高4,200mのマウナケア山頂域にあるすばる望遠鏡と、研究・開発・事務を行うヒロ山麓施設から成る日本の国立天文台が運営する天体観測施設です。

名称 ハワイ観測所 (すばる望遠鏡)
所属 自然科学研究機構 国立天文台
所在地 ○ヒロ山麓施設
650 North A'ohoku Place, Hilo, Hawaii 96720, U.S.A
○山頂施設 (すばる望遠鏡)
北緯19度49分32秒、西経155度28分34秒 (NAD83 系に準ずる)、標高4139メートル(望遠鏡高度軸は標高4163メートル)
主な活動 ○すばる望遠鏡による観測成果の公開
○観測装置などの開発・製作
○すばる望遠鏡の保守作業
○次世代の研究者の養成並びに教育活動
○施設見学、遠隔講演など広報普及活動
○地元での天文イベントや科学教室、学校での出前授業、講演会などの普及・教育活動

ヒロ山麓施設

空から見た山麓施設

photo: 空から見た山麓施設

国立天文台ハワイ観測所は 1997年 ヒロ山麓施設の完成とともに発足しました。山麓施設には、実験室、機械工作室、図書室、計算機室などがあり、120人程度のスタッフが望遠鏡の運用から天文学の研究や次世代の観測装置開発など広範囲の業務に携わっています。標高 約4200メートルのマウナケア山頂域での作業は困難と危険を伴うため、望遠鏡から離れてできる作業は、この山麓施設で行われています。

山麓施設表札

photo: 山麓施設表札

シミュレーター室

photo: シミュレーター室

リモート観測室

photo: リモート観測室

すばる望遠鏡

金色に輝く夕空の下、観測に備えるすばる望遠鏡

photo: 金色に輝く夕空の下、観測に備えるすばる望遠鏡

すばる望遠鏡は、太平洋の中心、ハワイ島マウナケアの山頂域に設置されています。ここは、天体観測に最適な場所のひとつとして知られています。標高 4200 メートルのマウナケア山頂は、気圧は平地の3分の2しかなく、地上の天候システムに影響されない高さにあるため、快晴の日が多く、乾燥しています。貿易風がハワイ諸島上空を滑らかに吹き、雲が山頂まで上ってくることは稀です。近くに大きな都市もなく、天体観測をさまたげる人工的な光はほとんどありません。
これらの好条件を求めて、マウナケアには複数の望遠鏡が設置されていて、すばる望遠鏡もその一員です。すばる望遠鏡のほかにも、ジェミニ望遠鏡、二つのケック望遠鏡という8- 10 メートル級の望遠鏡があります。

マウナケアは、天体観測に適しているのと同時に、自然としても、また文化的にも貴重な資源であり、保全地区として、その開発は注意深くコントロールされています。

すばる望遠鏡の仕様

すばる望遠鏡

主反射鏡 (一枚鏡)

有効口径: 8.2 メートル
厚さ: 20 センチメートル
重さ: 22.8 トン
材質: ULE ガラス (超低熱膨張ガラス)
研磨精度: 平均誤差 0.014 マイクロメートル
焦点距離: 15 メートル

望遠鏡本体

形式: 経緯台式反射望遠鏡
基本光学系: リッチー・クレチアン方式
焦点: 4箇所
主焦点 (F比 2.0 補正光学系含む)
カセグレン焦点 (F比 12.2)
ナスミス焦点 (可視光: F比 12.6)
ナスミス焦点 (赤外線: F比 13.6)
高さ: 22.2 メートル
最大幅: 27.2 メートル
重さ: 全回転部分 555 トン
最大駆動速度: 0.5 度角/秒
天体の追尾誤差: 0.1 秒角以下
観測可能仰角範囲: 10 ~ 89.5 度
総合星像分解能: 0.2 秒角 (補償光学なし、2.15 マイクロメートル)
ドーム

ドーム

標高: 4,139 メートル
注)望遠鏡高度軸は標高 4,163 メートル
緯度: 北緯 19 度 49 分 32 秒 (NAD83 系に準ずる)
経度: 西経 155 度 28 分 34 秒 (NAD83 系に準ずる)
形式: 楕円柱型自動風制御方式
特徴: 円筒形,望遠鏡と同期回転
高さ: 43 メートル
回転レール直径: 40 メートル
重さ: 回転部分 (ドーム上部) 2000 トン
外壁: アルミニウム板張り
  • The University of Hawaii
  • 国立天文台三鷹キャンパス