すばる望遠鏡
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 すばるが挑もうとしている宇宙は、星の形成と死、銀河の衝突など、多様な現象に満ちています。単に天体写真をとるだけでなく、これらの現象を科学的に調べるためには、工夫をこらした観測装置が必要です。

 天体観測には大きく分けて、天体の形状や明るさを調べるために天体のイメージをとる「撮像観測」と、天体の温度や組成を調べるために天体からの光を細かく分けて測定する「分光観測」の2種類があります。また、可視光と赤外線では、宇宙の姿は大きく異なります。可視光では主に、太陽のような恒星や、その集団である銀河が見えます。一方、赤外線は、星形成領域のような温度の低い天体や、宇宙空間の塵に隠れて可視光では見えない天体の観測に適しています。

  現在すばる望遠鏡では、第一期観測装置として、7つの観測装置と1つの補助観測装置が使用されています。2006年2月からは、多天体近赤外撮像分光装置 (MOIRCS) も利用できるようになりました。これらの観測装置と4つの焦点によって、可視光から赤外線までの波長をさまざまな方法で観測することが可能になります。

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利用中の観測装置

多天体近赤外撮像分光装置 MOIRCS
(Multi-Object Infrared Camera and and Spectrograph)

 東北大学と国立天文台とが共同で開発してきた MOIRCSは、天体から届く近赤外線の撮像及び分光観測を行う装置です 。近赤外線用としては巨大な400万画素の検出器2つを備え、世界の口径8-10m級望遠鏡の中では最大の視野 4分角×7分角を誇ります。

トピックス (2006年2月) MOIRCS - すばるの新しい「赤外線の瞳」 ついに始動

近赤外線分光撮像装置 IRCS
(Infrared Camera and Spectrograph)

 波面補償光学装置を生かした高い解像力と感度による撮像観測や、20,000分の1の波長差を識別できる分光観測を行う、すばる望遠鏡の基本装置です。ハワイ大学との共同研究によって開発・製作されました。左はIRCSの撮像光学系。IRCS は、すばる望遠鏡のナスミス焦点の片方 (赤外線)装着されます。

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トピックス (2000年6月) IRCS がファーストライト!

コロナグラフ撮像装置 CIAO
(Coronagraphic Imager with Adaptive Optics)
 CIAO は、明るい天体のすぐ近くにある暗い天体の画像を撮影するのが得意な装置で、太陽系外の惑星の発見に威力を発揮します。中央の円柱状の真空容器のなかで光学系や検出器を冷却して使用します。CIAO はすばる望遠鏡のカセグレン焦点に装着されます。

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トピックス (2000年4月) CIAO がファーストライト!

冷却中間赤外線分光撮像装置 COMICS
(Cooled Mid Infrared Camera and Spectrometer)
 この装置は波長10マイクロメートルと20マイクロメートルの中間赤外線で観測を行います。惑星系の形成過程や系外銀河の大規模な星形成現象、また星間空間の固体成分であるダストの形成過程を調べることができます。COMICS は、すばる望遠鏡のカセグレン焦点に装着されます。

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トピックス (2000年1月) COMICS がファーストライト!

微光天体分光撮像装置 FOCAS
(Faint Object Camera and Spectrograph)
 可視光で高い感度の観測を行う基本装置です。視野内の100個の天体のスペクトルを同時に撮影できる機能を使用することにより、宇宙の果て近くにある銀河までの距離を効率よく調べることができます。FOCAS は、すばる望遠鏡のカセグレン焦点に装着されます。

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トピックス (2000年3月) FOCAS がファーストライト!

主焦点カメラ Suprime-Cam
(Subaru Prime Focus Camera)
 月の直径と同じ30分角という視野を一度に撮影することで、銀河の誕生・進化や宇宙構造の研究、太陽系外縁部の小天体(エッジワース・カイパーベルト天体)の探索に威力を発揮する装置です。すばる望遠鏡の主焦点に装着されます。4096×2048画素という大きなCCDを10個もすき間なく並べることで、全体で8,000万画素のデジタルカメラとして働きます。Suprime-Cam は、東京大学(大学院理学系研究科、宇宙線研究所)と国立天文台のグループが共同で開発した装置です。

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トピックス (2000年7月) 主焦点に搭載した Suprime-Cam

高分散分光器 HDS
(High Dispersion Spectrograpgh)
 HDSは、可視光で10万分の1の波長差を識別できる装置です。古い星の元素組成を調べて宇宙における元素の進化を研究したり、クエーサーの吸収線を調べて銀河間ガスの組成や物理状態を調べる研究に用いられます。重さが6トンもあり、すばる望遠鏡のナスミス焦点の片方 (可視光) に常設されています。

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トピックス (2000年8月) HDS がファーストライト!

波面補償光学装置 AO
(Adaptive Optics)
 すばる望遠鏡はドーム内の大気のゆらぎを押さえることにより、0.2秒角という高い解像力を実現しました。しかし、これでもまだ解像力は大気のゆらぎによって決まってしまいます。大気のゆらぎを実時間で補正することにより、波面補償光学装置は主鏡の直径によって決まる解像力(回折限界)を実現する装置であり、この装置を使用すれば0.06秒角という、ハッブル宇宙望遠鏡に匹敵する解像力が得られます。AO は、すばる望遠鏡のカセグレン焦点に装着されます。

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観測成果 (2000年12月) AO がファーストライトを迎えました

現在の観測装置の波長と波長分解能の関係  


 すばる望遠鏡は、可視光から赤外線までカバーする撮像用カメラと分光器をもっています。FOCASやIRCSのように、撮像と分光観察の両方の機能を備えた装置もあります。図の上で重なっている場合でも、それぞれの装置には、視野の広さや観測対象などに大きな違いがあり、役割分担しています。

拡大画像(20KB)

利用を終了した観測装置

OH夜光除去分光器 OHS
(OH-Airglow Suppressor)
  上層大気のOH分子が出す夜光を取り除くことで、高い感度を実現する分光器。遠方の銀河や褐色矮星などの暗い天体の粗い分光観測に特に能力を発揮します。左はファーストライトで活躍したOHSの撮像部のCISCO。OHS は、すばる望遠鏡のナスミス焦点の片方 (赤外線) に装着されます。

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トピックス (2000年5月) OHS がファーストライト!

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